新時代における都市発展の科学的指針

ーー『都市政策に関する習近平氏の論述ダイジェスト版』

出所:理論中国網 | 著者:中共中央党史・文献研究院 | 発表時間:2025-06-11

 中国共産党第18回全国代表大会以降、習近平氏を核心とする党中央は、都市政策に対する党の指導をいっそう強化し、人民による都市建設・人民のための都市運営を堅持し、人を中心とした新型都市化を推し進め、中国の特色ある都市発展の道を歩んできた。最近出版された『都市政策に関する習近平氏の論述ダイジェスト版(以下、「論述ダイジェスト版」という)』は、7つのテーマに分かれており、習近平総書記の重要な都市政策に関する論述が収録されている。習近平総書記による都市政策に関する重要な論述は、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」の重要部分を成している。習近平総書記の都市政策に関する重要な論述は、都市発展の価値観と方法論を明確にし、中国の特色ある社会主義の都市発展の法則を深く解き明かし、「都市建設は誰に依拠し、誰のために行われるのか」といった根本的な問題や、「どのような都市を建設し、どのように建設すべきか」といった重大な命題に答えている。これは、都市ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を不断に推進し、新型都市化のレベルを高め、都市環境品質、人民生活水準、都市競争力を向上させ、人民のための都市運営に新たな局面を切り開くうえで、非常に重要な指導的意義を持つ。

 一、都市政策を推進するには、党の指導を強化し改善しなければならない

 中国共産党は、中国の特色ある社会主義事業の指導的中核であり、全局を統括し各方面を調和させる立場にある。都市政策をうまく遂行するためには、党による方向性を確定し、大局を見据え、政策を決定し、改革を推し進める能力と決定力を引き上げる必要がある。「論述ダイジェスト版」の第1章は、習近平総書記の関連する重要な論述を全面的に反映している。

 中国共産党は一貫して都市政策を重視してきた。1949年には、第7回中央委員会第2回全体会議において、党の活動の重心を農村から都市へ移すことが提起され、毛沢東氏は全党対して「都市の管理と建設を学ぶために、最大限の努力を払わなければならない」と呼びかけた。1962年、1963年、1978年の3回にわたり、中央政府は都市工作会議を相次いで開催し、都市の発展における重大な問題について議論した。中国共産党第18回全国代表大会以降、習近平氏を核心とする党中央は重大な問題に焦点を当て、長期的な計画を立て、中央都市化工作会議や中央都市工作会議を開催し、国家全体にとって重要かつ長期的な視点が必要な都市化問題に対して、一連の重大な発展戦略を実施してきた。人を中心とした新型都市化戦略、北京の非首都機能を重点とした京津冀(北京・天津・河北)協同発展戦略、共同で環境保護を徹底し、大規模な開発を行わないことを基本原則とする長江経済ベルト発展戦略を打ち出した。さらに、粤港澳大湾区の建設を推進し、雄安新区の建設を計画し、長江デルタ都市群や成渝都市群などの発展計画を実施するなど、さまざまな取り組みが打ち出されている。この一連の重要な戦略的決断は、中国の経済発展を根底から変えつつあり、今後もその影響は長期にわたって続く。

 党と政府が共同で取り組む都市運営体制を確立・強化する。農村と都市の問題は、各級党委員会にとって二つの重要な任務であり、互いに補完し合い、どちらか一方を欠くことはできない。習近平総書記は、「三農」問題が党全体の最重要課題であり、都市政策は党と国家全体の活動において非常に重要な位置を占めていると指摘した。各級党委員会は、都市の活動が持つ重要性を十分に認識し、農村を重視するのと同じように都市を重視し、「三農」問題に取り組むのと同じように都市の活動に取り組むべきである。各級党委員会の指導責任を強化し、特に主要な指導者が直接都市の活動に関与し、党委員会が統一的に指導し、党と政府が共同で取り組む都市運営体制を確立・強化する必要がある。各省・自治区・直轄市の党委員会と政府は、それぞれの地域の都市の現代化建設を総合的に推進し、国家が掲げる目標を軸として、それぞれの地域の都市開発目標と重点課題を明確にするべきである。各都市の党委員会と政府は、都市における活動の責任主体であり、国家、省、自治区、直轄市が定めた目標と要求に基づき、都市の現代化行動計画を策定し、その全体的な要求、実施手順、および保証措置を明確にするべきである。街道やコミュニティーの党組織は、都市における党の活動の基盤であり、住民に奉仕する党組織を構築することで、地域住民による自治組織や社会組織の育成を促し、住民の生活をより良くするためのさまざまな取り組みを行い、住民との距離を縮め、住民を団結させ、住民を正しい方向へ導くべきである。都市におけるコミュニティ党組織の建設を強化し、党組織が中心となって地域社会を運営していく体制を築き、基層レベルの党組織を、党の指導を効果的に実現するための強固な組織へと発展させるべきである。

 都市運営の能力を高め、高い資質を持つ都市幹部チームを育成することが重要である。都市は一つの科学であり、人間の体のように経絡や脈拍、肌理が存在し、科学的に扱わなければ問題を引き起こす。都市の急速な拡大と人口増加に伴い、都市管理の難しさは増している。習近平総書記は、都市を理解し、管理できる幹部を早急に育成し、科学的な態度、先進的な理念、専門的な知識をもって都市の計画、建設、管理を行う必要があると指摘した。各級の指導幹部は、都市に関する知識の学習を強化し、都市の建設と管理という科学を早期に理解し、都市発展の法則を習得し、都市運営の能力を高めるべきである。各級行政学院の研修課程では、都市に関する内容を増やし、関連部門は都市計画、建設、管理に関する専門的な教育訓練を強化すべきである。各級の指導幹部に対して、都市発展の法則、自然生態環境の尊重、歴史文化の継承、そして市民の訴えを尊重するよう教育・指導し、あらゆる手段を講じて都市の健全な発展を図り、市民の福祉を増進することが求められる。

 二、都市は、党と国家の全体的な活動において、極めて重要な役割を果たしている

 5000年続く中国の文明において、都市は重要な役割を果たしてきた。中国共産党第18回全国代表大会以降、中国の都市開発は新たな発展段階に入った。このような大きな背景のもとで、都市活動を適切に行うことは非常に重要な意義を持っている。本書は、都市政策の遂行における重大な意義について習近平総書記の深い考察を十分に反映している。

 都市は現代化の重要な担い手である。今から中国共産党の中心的な任務は全国各民族人民を団結させ指導し、社会主義現代化強国を全面的に建設し、「第2の百年」の奮闘目標を達成し、中国式現代化によって中華民族の偉大な復興を全面的に推進しなければならない。習近平総書記は、都市建設が現代化建設の重要なエンジンであると指摘した。現代化の過程において、工業と農業の関係、都市と農村の関係をいかに適切に処理するかが、現代化の成否を左右する。世界各国の現代化の歴史を振り返ると、工業と農業、都市と農村の関係を適切に処理できなかった国々では、農業や農村の発展が遅れ、農産物供給が不足し、農村労働力を十分に吸収できず、大量の失業者が都市のスラムに流れ込み、農村や農村経済が衰退した。結果として、工業化や都市化が困難に直面し、社会の不安定化を招き、最終的に「中所得国の罠」に陥ることさえあった。この根本的な問題には、指導体制や国家ガバナンス体制が関係している。習近平総書記は、都市の重要性が高まるほど、冷静さを保つ必要があると強調している。中国の都市発展の成果を充分に評価する一方で、その課題や不足についても冷静に認識することが求められる。中国の現代化は、西洋の先進国の現代化とは大きく異なり、工業化、情報化、都市化、農業現代化が同時に進行する「並列式」である。都市と農村の関係を適切に処理できるかどうかは、社会主義の現代化建設全体にかかわる重要な問題である。中国共産党が指導する社会主義国家として、中国は工業と農業、都市と農村の関係を適切に処理し、社会主義現代化のプロセスを順調に推進する能力と条件を備えている。

 都市は、中国における経済、政治、文化、社会を牽引するエンジンである。習近平総書記は、都市の発展が経済社会全体に波及効果をもたらすと指摘した。われわれは、都市が中国の経済社会の発展と民生改善において非常に重要な役割を果たしていることを深く認識する必要がある。改革開放以来、中国は世界史上前例のないスピードと規模で都市化を遂げ、都市の発展は目覚ましく、世界から注目されるほどの成果を上げている。1978年から2014年にかけて、中国の都市化率は年平均1%増加し、都市の常住人口は1億7,000万人から7億5,000万人に増加した。中国の都市数は193から653に増加し、都市の既成市街地面積は1981年の7,000平方キロメートルから2014年の49,000平方キロメートルに増加した。都市のインフラは顕著に改善され、公共サービスのレベルは絶えず向上し、都市機能は不断に完善された。全国の経済総量の80%以上が都市で生み出され、人口の50%以上が都市に住んでいる。京津冀、長江デルタ、珠江デルタといった都市群が中国に形成され、これらが全国の発展をけん引する重要な役割を担っている。中原地区、長江中流域、成渝地区など、それぞれ1億人以上の巨大な人口を抱える地域は、比較的完全な産業体系と大規模な市場を形成する十分な条件を備えており、新たな発展を牽引する空間として期待されている。習近平総書記は、中国の経済発展における空間構造が大きく変化しており、中心都市と都市群が、発展の要素を支える主要な空間形態になりつつあると強調している。一部の中心都市地域において、工業化と都市化を加速させ、都市群の機能を高め、中心都市の周辺地域への波及効果を強化し、質の高い発展の重要な推進力となることを促し、共同で質の高い発展を推進する動力システムを形成する。

 都市化は、現代化への不可欠な道である。都市化は、中国の現代化建設における歴史的な任務である。都市化は自然な歴史の進程であり、時流に乗り適切に導けば、経済社会発展の持続的な原動力となる。しかし、適切に進めなければ、多くの矛盾や問題を引き起こし、「都市病」を招き、現代化の進展を妨げる可能性がある。現在、中国の都市化発展は大きな機会に直面しつつも、多くの課題に直面している。これらの問題は、特有な側面と普遍的な側面を併せ持ち、かつ中国の発展段階とも深く関わっている。特に、われわれのような発展途上の大国において都市化を実現することは、人類の歴史上かつてない試みであることを認識する必要がある。無計画な拡大、土地と人の不均衡、借金による経済の維持、そして環境破壊といった、これまでのやり方はもう限界を迎えている。習近平総書記は、都市・農村の発展一体化を推進することは、工業化、都市化、農業現代が一定の段階に達した結果として必然的に求められるものであり、国家が現代化を達成した重要な証であると指摘した。われわれが最初から「都市化」ではなく「城鎮化」と言っているのは、都市と農村の融合を促進するためである。もし、「城鎮化」の目標が正しく、方向性が間違っていなければ、新たな道を開拓することができ、国内需要の大きな潜在力を引き出すことにつながり、労働生産性の向上、都市と農村の二元構造の解消、そして社会の公平性と共同富裕の促進に貢献するだろう。習近平総書記は、都市化は全国規模の大範囲に及ぶ社会的プロセスであり、最初から正しい原則を策定し、それを守り続けることが重要であると強調している。基本原則は主に4つある。1つ目は人間本位主義、2つ目は配置の最適化、3つ目は生態系文明、そして4つ目は文化の継承である。積極的かつ着実に城鎮化を推進し、大都市、中都市、小都市、そして小規模な町が調和して発展するよう促すべきである。工業化と城鎮化が互いに良い影響を与え合い、城鎮化と農業現代化が相互に連携することで、中国の特色ある新型城鎮化の持続的かつ健全な発展を推進していく必要がある。

 三、人民のための都市運営を堅持し、中国の特色ある都市発展の道を歩む

 都市の最も重要な要素は人である。都市の政策がうまく進んでいるかどうかは、最終的に人々の満足度によって測られるべきである。人民を中心とする発展思想を堅持し、人民のための都市運営を堅持することは、都市の政策をうまく遂行するための出発点および帰結点である。「論述ダイジェスト版」の第2章で、習近平総書記は「都市建設は誰に依存し、誰のために行われるのか」という根本的な問題に深く答えている。

 都市の発展法則を認識し、尊重し、それに順応しながら、都市開発の指導思想を正しく定める。都市の発展は自然な歴史的過程であり、それには固有の法則を持っている。改革開放以来、われわれは経済の法則に対する理解を大きく深めたが、都市発展の法則に対する理解はまだ十分に深まっていない。習近平総書記は、都市政策におけるさまざまな問題が生じているのは、最終的に、都市発展の法則を十分に理解しておらず、自発的にその法則に従おうとしていないことに起因すると指摘した。例として、都市と経済の発展は互いに補完し合い、相互に促進し合う関係にある。都市の発展は、農村人口が都市に集中し、農業用地がそれに応じて都市の建設用地へと転換していく過程である。そして、都市の規模は、その地域が持つ資源や環境が支えられる範囲内に収まるべきである。中国の自然の恵み、歴史的文化伝統、そして制度体制といった要素を踏まえ、普遍的な法則を守りつつも、それに固執することなく、国際的な先進経験を参考にしながらも、そのまま模倣することなく、という両立を図るべきである。習近平総書記は、都市群の形成と発展には内在的な法則があり、人為的に「作り上げる」ものではないと強調している。都市の発展は単に規模の経済効果だけを考えるのではなく、エコロジーと安全を優先し、都市配置における経済、生活、エコロジー、安全の各ニーズを統合的に考慮する必要がある。革新、協調、グリーン、開放、共有の新たな発展理念を貫徹し、人間本位、科学的発展、改革・革新、法に基づく都市運営を堅持し、都市の発展方式を転換し、都市ガバナンス体系を改善し、都市ガバナンス能力を高め、「都市病」などの顕著な問題を解決することに重点を置き、都市環境の質、人民生活の質、都市の競争力を不断に高め、中国の特色ある都市発展の道を切り開く。

 人民による都市開発と人民のための都市運営という方針を堅持する。都市は人々の都市であり、人が集まって生活する場所である。都市建設には、人民を中心とする発展思想を貫徹し、人民の生活をより幸福なものにする必要がある。習近平総書記は、金杯・銀杯よりも、人々の評価が重要であり、人々が良いと言ってこそ本当に良いと指摘した。都市政策がうまく進んでいるかどうかの重要な評価基準は、市民が満足しているか、生活が便利かどうかである。人間本位を堅持し、都市機能を絶えず改善し、住民の生活の質を向上させることが求められる。習近平総書記は、都市建設において住民が住みやすく、安全に暮らせることを最優先にし、最高の資源を住民のために使うべきだと強調している。人民の生命の安全と健康を、都市開発の基本目標とするべきである。戦略的な視点を持って、人々がより高い品質の生活を求めるという期待に応え、人間の全面的な発展と、全ての人が豊かに暮らせる社会の実現に向けて、幼児教育の充実、教育機会の均等、労働による所得の確保、医療の提供、老後の生活保障、住宅の確保、そして社会的弱者の支援が、より一層進展するように不断の努力をすべきである。国民が最も関心を持つ、直接的で現実的な生活に関わる問題に重点的に取り組み、生活上の困難な問題を中心に解決策を打ち出し、一つ一つの課題を着実に解決していく。そして、毎年着実に改善を重ねることで、国民の幸福感、安全感、安心感を高めていく。都市の計画、建設、管理の全過程において、「全周期管理」を見据えた管理の考え方を徹底する。都市計画や建設、新市街地の開発や旧市街地の改修においても、常に人民を中心に据え、住民のニーズに焦点を当て、生産、生活、環境の空間を合理的に配置し、内包的かつ効率的で、環境に優しい高品質な発展の道を歩むべきである。これにより、働きやすく、住みやすく、楽しみやすく、訪れやすい良好な環境を整備し、住民により幸福な生活を提供することを目指す。

 人を中心とした新型城鎮化を推進する。現代化の本質は人間の現代化であり、農民を真の都市住民へと変え、その素質を向上させるには長期間の取り組みが必要で、一朝一夕に達成できるものではない。世界各国もこの問題の解決にかなりの時間を費やしている。人口の城鎮化において、われわれは歴史的な忍耐を持つべきである。中国では城鎮化が進んでおり、農村から都市への人口移動が大きな流れとなっている。習近平総書記は、城鎮化を進めるにあたり、都市で安定した仕事に就き、生活を送ることができる人々を順序立てて市民化することを最優先課題とし、都市におけるあらゆる取り組みはこの最優先課題に集中すべきだと指摘した。農村から都市への人口の市民化を推進するには、本人の意志を尊重し、状況に応じて異なる対応を行い、秩序ある形で進めるべきである。この課題は、戸籍、土地、財政・税制、住宅、教育、社会保障などの体制や政策、利益の調整を伴うため、統合的に計画し、秩序をもって推進し、実効性を確保することが求められる。習近平総書記は、城鎮化を推進するにあたり、人を中心に据え、都市住民の素質と生活の質を高め、都市をより健康で安全、そして住みやすい場所とし、人々が質の高い生活を送れる空間とすることが必要だと強調している。当面の最重要課題は、条件を満たす農村から移住した人々が都市に定住し、安定した生活を送れるよう支援し、基本的な公共サービスの常住人口への完全なカバーを加速するようにすることである。制度的な保障を通じて、都市に移住する人は安心して都市で生活でき、農村に残る人も安心して農村で暮らせるようにし、都市と農村が互いに発展しあう関係を築くべきである。

 四、都市政策を遂行する基本的な考え方を遵守し、人民のための都市建設の新たな局面を切り開くために努力する

 都市運営は、体系的な事業である。都市の政策を取り巻く新たな状況や、改革・発展に対する新たな要請、そして市民の新たな期待に応えるためには、全体をバランスよく考え、重点的に取り組むべき分野に力を入れることで、都市計画、建設、そして都市管理のレベルを向上させ、住みやすく、災害に強く、そしてスマートな都市を築いていこう。「論述ダイジェスト版」の第3~7章では、習近平総書記の関連する重要な論述が、まとめて収録されている。

 空間、規模、産業の三大構造を統合的に調整し、都市開発の全体最適化を図る。都市の急速な発展過程において、地域の実情に適し、資源の特性や文化的特色を反映した都市の空間構造、規模構造、産業構造を形成できるかどうかは、都市全体の発展に直接関わる。習近平総書記は、科学的かつ合理的な都市構造を構築する必要があると指摘した。都市群は、空間、規模、産業の3つの構造を統合的に調整するための重要なプラットフォームであり、人口の多い国の都市化において、主要な空間的な担い手となる。中国のような土地が狭い人口大国にとって、この都市群の形成は、揺るぎない戦略であると言える。都市群・都市圏を基盤とし、大都市、中都市、小都市が連携し、調和のとれた発展を実現する都市構造を構築する。全国的に見て、大都市、中都市、小都市、そして小規模な町を含む都市群は、科学的な計画に基づき配置され、地域の経済発展や産業構造と密接に連携し、資源と環境の許容範囲内で発展していくべきである。都市群の発展を円滑に進めるための調整メカニズムを構築し、都市群をプラットフォームとして、地域を超えた都市間の産業分業、インフラ整備、生態系の保護、環境改善などの分野で連携を強化し、行政の壁や市場の分断を打破し、生産要素の自由な移動と最適な配置を促進する。東部都市群を最適化・強化し、大都市の規模を適切に管理する一方で、中西部および東北地域において条件が整っている地域で、都市群を段階的に形成し、国境地域の中心都市や港湾都市の連携を促進することで、地域経済の発展と対外開放を牽引する新たな成長極を形成する。習近平総書記は、主体機能区を推進する要求に従い、中国の国情に適した都市空間構造を構築することに力を注ぐべきだと強調している。城鎮化の全体的な配置について、「二横三縦」の城鎮化戦略的構想を打ち出した。これは全体の方針に基づいたものであり、一度決めた計画は最後までやり遂げ、「焼き直し」をしてはならない。各地域は、主体機能区制度を着実に実施し、それぞれの主体機能区の位置づけに基づいて発展と城鎮化を推進していくべきである。各都市は、それぞれの都市が持つ資源や特性に基づき、発展の目標と方向性を明確にし、特色ある都市産業体系を育成・発展させるべきである。都市間の専門的な分業協力、大都市・中都市・小都市・小規模な町間の産業連携を強化し、横方向での重複を避け、縦方向での分業協力を深めることで、地域全体の協調発展という大きな目標を達成していくべきである。県城を重要な担い手とする城鎮化を推進し、都市と農村の融合発展という大きな流れに沿って、都市と農村間の要素の平等な交換と双方向の流動を妨げる制度的な障壁を取り除き、発展要素やさまざまなサービスをより多くの農村地域へと展開させ、県域内において率先して都市と農村の二元構造を解消する。

 計画、建設、管理の3つの主要な段階を総合的に調整し、都市運営の体系性を高める必要がある。都市活動ではシステム的な思考を確立し、都市を構成する要素、構造、機能などから取り組み、各方面の活動を系統的に推進することが求められる。習近平総書記は、都市建設は大きな学問であり、歴史と人々に深く責任を持つという姿勢で、都市建設の水準を着実に向上させなければならないと述べた。事実に基づいて都市の位置付けを決め、それによって科学的な計画と実践的な行動が生まれ、無駄な回り道を避けることができる。都市計画は、都市の発展を導く上で非常に重要な役割を果たしており、都市の機能的位置づけ、文化的特色、建設と管理など、多様な要素を総合的に考慮して計画を策定する必要がある。計画理念と方法において不断に革新を図り、計画の科学性と指導性を強化する。科学的な計画は最大の成果をもたらし、計画の失敗は大きな損失となり、計画の変更は混乱を引き起こす。都市計画は、無制限な拡大から、都市の境界を明確化し、都市の空間構造をより効率的に利用する計画へと、徐々に移行していくべきである。都市計画は継続性を重んじ、行政の交代に伴って計画が変更されるようなことはあってはならない。法律や条例によって計画の厳格性と拘束力を確保しなければならない。都市設計を充実させ、都市の再生を促進する。都市の立体的な空間構成、平面的な配置の調和、全体的な景観、そして歴史的な文脈の継承といった側面において、より厳格な計画と管理を行うべきである。これにより、都市固有の地域環境、文化特性、建築様式といった「遺伝子」を保存することができる。計画、建設、そして管理のいずれにおいても、安全を最優先とし、都市業務と発展のあらゆる段階に安全対策を徹底させるべきである。都市は、スローガンだけでは造り上げられない。都市の建設水準は住民の生活の質に関わるだけでなく、都市の生命力そのものでもある。習近平総書記は、都市の活動を推進する上で、都市の管理とサービスを最も重要な点として捉えるべきだと強調している。都市の競争力、活力、魅力を高めるためには、高水準の管理が必要不可欠である。都市管理の目標、方法、モデルを現代化することが求められている。健全な都市管理体制を構築し、現代の情報技術を十分に活用して、市政施設の運営管理、交通管理、環境管理、そして緊急時の対応管理を強化する。さらに、行政の重心を下に移し、コミュニティの管理モデルを完善させ、企業や社会組織の力を最大限に発揮させ、グリッド化されたサービス管理システムの構築を積極的に推進する。これにより、市民にきめ細やかな都市管理と質の高い公共サービスを提供し、市民がより便利で快適、そしてより良い生活を都市で送れるようにする。

 改革、科学技術、文化の3つの原動力を統合し、都市発展の持続可能性を向上させる。都市の発展は、改革、科学技術、文化の3つの力によって推進され、持続可能な発展を実現する。都市管理における諸問題は、主に制度・仕組みの不備が原因であるため、抜本的な改革によって解決する必要がある。習近平総書記は、都市改革は多方面に関わり、現在の重点は、計画、建設、管理、戸籍の分野における改革を推進すると指摘した。都市管理体制の改革を深化させ、中央政府と地方政府の都市管理部門の役割分担を明確化し、管理範囲、権限、責任主体などを定める必要がある。土地、財政、教育、雇用、医療、介護、住宅保障などの分野における改革を総合的に推進し、労働力や人材の流動性を妨げる制度や政策上の弊害を解消する必要がある。都市改革を深化させるには、都市の科学技術、文化、その他多くの分野における改革の推進が含まれる。イノベーションと起業のエコシステムを最適化し、イノベーションを都市発展の原動力とし、インフラの相互接続を促進することで、都市開発の新たな動力源を解放する。デジタル化からインテリジェント化、そしてスマート化への移行は、都市ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を推進する上で不可欠な道である。ビッグデータ、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン、人工知能などの最先端技術を活用し、都市の計画、建設、管理、運営の全ライフサイクルにおけるインテリジェント化を推進し、スマートシティの建設を進めることで、「テクノロジーが生活をより豊かにする」という目標を実現する。習近平総書記は、文化は都市の魂であると強調している。都市建設にあたっては、市民が山や水に囲まれ、故郷を懐かしむことができるような都市づくりを目指すべきである。「故郷を懐かしむ」とは、優れた中華伝統文化を保護し、都市の歴史的文脈を継承し、中華文化の遺伝子を守ることを意味する。先人から受け継いだ文化遺産、すなわち文物、歴史的な都市・町・村、歴史地区、歴史的建造物、産業遺産、そして無形文化遺産などを大切に保護し、「本物の遺跡を壊し、偽物を作る」などという愚かな行為は絶対に避けなければならない。古代建築から近代建築まで、単体の建築物から街路や地区、都市の構造まで、そして優れた建築物から濃厚な郷土色を持つ民家や地方特有の風俗まで、あらゆるものを保護していく必要がある。一つの都市の歴史的遺構、文化的な古跡、そして人文的な蓄積は、その都市の生命の一部である。保護しながら発展させ、発展させながら保護し、歴史ある都市に新たな活力を生み出し、歴史と現代が互いを引き立て合うような関係を築くべきである。

 生産、生活、生態の3つの配置を総合的に考慮し、都市発展の住みやすさを高める。「城は人々を繁栄させる」という言葉が示すように、都市の活動は優れた生活環境をつくり出すことを中心的な目標とし、人と人、人と自然が調和的に共生する美しい都市を築くよう努めるべきである。習近平総書記は、都市発展において生産空間、生活空間、生態空間の内在的な関係をしっかりと把握し、生産空間は集約的かつ効率的に活用し、生活空間は快適で住みやすく、生態空間は美しく保つようにすることが重要だと指摘した。都市内部の空間配置を最適化し、都市全体の通気性を高め、微小循環を向上させることが求められる。集約的な発展を堅持し、「スマート成長」「コンパクト・シティ」の理念を確立し、都市開発の境界線を科学的に定め、都市の発展を外延的拡張から質的向上への転換を図るべきである。住宅問題の解決に向け、さらに大きな決意と努力を払い、「住宅は住むためのものであり、投機の対象ではない」という方針を堅持し、供給主体の多様化、保障制度の多様化、賃貸と購入の併存による住宅制度の確立を加速させるべきである。習近平総書記は、人と自然の調和のとれた共生の現代化を建設するためには、都市の生態環境の保護をより重視し、都市の生産空間、生活空間、生態空間を科学的かつ合理的に計画し、都市の生産生活と生態環境保護の関係を適切に処理し、経済発展の質を高めるとともに、人民の生活の質を向上させる必要があると強調している。生態文明の理念と原則を城鎮化の全過程に組み込み、集約的、スマート、グリーン、低炭素の新型城鎮化の道を歩むべきである。都市の発展は、経済的な目標だけでなく、生態系の目標、人と自然の調和という目標も追求すべきであり、「緑の山河は金山・銀山にほかならない」という意識を持ち、環境容量と都市の収容能力を考慮して、都市の規模や機能を決定すべきである。都市の計画・建設においては、自然への影響を細部まで考慮し、生態系を壊さないようにしなければならない。都市の発展においては、水資源を最大限に考慮し、都市の規模、人口、産業構造などを決定すべきである。都市の開発強度を抑制し、水域保護ライン、緑地システムライン、インフラ整備制限ライン、歴史文化保護ライン、永久基本農地およびエコロジー保護レッドラインを定め、「攤大餅(大都市が外に向かってどんどん大きくなっていくこと)」現象を防止し、グリーンで低炭素の生産・生活様式および都市建設・運営モデルを推進する必要がある。

 政府、社会、市民の3つの主体を統合し、すべての関係者の都市発展推進への意欲を高める。現代社会は、活気に満ち溢れながらも、同時に秩序が保たれた状態であり、活力と秩序が有機的に統一されているべきである。都市の発展には、各方面の積極性、自主性、創造性をうまく引き出し、都市発展を促進するプラスエネルギーを集めることが重要である。習近平総書記は、都市は生命体であり、有機体である。都市を敬い、大切にし、「全周期管理」の意識を持つことが必要だと指摘した。協調と相乗効果を堅持し、政府、社会、市民が同じ方向で行動することを促進し、政府の目に見える手、市場の目に見えない手、市民の勤勉な手が同じ方向で働くように最善を尽くすべきである。政府は都市のガバナンス方法を革新し、都市社会ガバナンスの現代化を加速し、都市社会ガバナンスの能力を向上させ、都市ガバナンスのレベルを向上させ、ガバナンス手段、ガバナンス方式、ガバナンス概念の革新を推進し、科学的、精密的、そして知的な側面に力を入れるべきである。コミュニティは、都市のガバナンスシステムにおける基本単位である。コミュニティの党組織建設を強化し、コミュニティの管理およびサービス体制を整え、さまざまな資源を統合し、コミュニティの公共サービス能力を高め、コミュニティを住民にとって最も安心できる場所とする必要がある。党と政府の責任を果たすとともに、企業、団体、社会組織の積極的な参加を奨励し、公開で透明な市場秩序を確立し、各種市場主体が公正に競争できるようにすることが求められる。同時に、規制も強化し、都市建設の理念と計画が実現されるよう保証しなければならない。アリストテレスは、「人々は生活のために都市に集まり、より良い生活を求めて都市に住む」と述べた。習近平総書記は、市民の生活をより快適にするという理念を、都市計画の隅々まで浸透させなければならないと強調している。都市のガバナンスを進める根本的な目的は、市民の満足度、幸福度、安全感を高めることにある。市民は、都市の建設と発展の主体である。都市の建設と発展においては、市民が主体であるという立場を堅持し、新時代の「楓橋経験」を継承・発展させながら、政府によるガバナンス、社会における調整、住民による自治が互いに良い影響を与え合うような良性循環を実現する。これにより、共同建設・共同統治・共同享受の現代的な基層社会ガバナンスの新たな枠組みを迅速に形成し、都市社会ガバナンスの現代化を加速させ、都市社会ガバナンス能力を高め、誰もが責任を持ち、誰もが役割を果たし、誰もがその成果を享受できる社会ガバナンス共同体を構築する必要がある。

 【出典】:「人民日報」2023年5月27日6面


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