習近平主席、「りすぼん丸」事件の生存者家族に返信

　【新華社北京８月２８日】中国の習近平（しゅう・きんぺい）国家主席はこのほど、「りすぼん丸」事件の生存者の家族から送られた手紙に返信し、これからも中英友好のため積極的に尽力するよう激励するとともに、より多くの英国の友人が中英関係に貢献することに期待を示した。

　習近平氏は次のように指摘した。１９４２年に中国浙江省舟山群島近海で、沈没する「りすぼん丸」から地元漁民が英軍捕虜を勇敢に救出した心を打つ出来事は、第２次世界大戦で中英が盟友として共に戦い、ファシストの侵略に共同で抵抗し反撃したことを示す重要な生きた証拠であり、両国の人々が深い友情を結んだ歴史的美談でもある。私はこの歴史をよく知っており、２０１５年に英国を訪問した際にもこの話題を取り上げた。

　習近平氏は次のように強調した。今年は中英両国が大使級外交関係を樹立して５０周年になるが、この半世紀、中英関係が前進し続けることができたのは、両国の無数の友好人士の献身的な努力によるものだ。「りすぼん丸」の生存者のご家族が中英友好に引き続き尽力するよう希望するとともに、より多くの英国の友人が中英関係の発展に積極的に貢献するよう期待している。

　１９４２年１０月、日本軍は徴用した貨客船「りすぼん丸」で、英軍捕虜１８００人以上を香港から日本に輸送しようとしていた。途中、浙江省の舟山群島付近の海域を航行中に米軍の攻撃を受け、英軍捕虜８４３人が死亡し、３８４人が地元漁民の尽力によって救助された。英国軍将兵と英政府はこれに深い感謝の意を表した。習近平主席は２０１５年に英国を訪問した際、「りすぼん丸」救助事件を例に挙げ、戦争中に築かれた中英両国の人々の友情は決して色あせることはなく、両国関係の貴重な財産になっていると強調した。このほど、「りすぼん丸」の最後の生存者、デニス・モーリー氏の娘ウィニーさんが、救助した中国の恩をしのぶとともに、両国の人々の代々にわたる友好を強く支持すると記した手紙を習近平主席に送った。