出所:中共中央党史・文献研究院 | 著者:楊明偉 | 発表時間:2022-12-15
習近平総書記は、「今後5年間は社会主義現代化国家の全面的建設をスタートさせる肝心な時期であり、この5年間の発展をうまくやることが第2の百年奮闘目標を実現する上で極めて重要になる」と指摘した。そのため、第20回党大会は、今後5年間の戦略的任務と重要な措置を重点的に配置し、問題解決のための新しい構想と新しい措置を研究し提出する。
第20回党大会は、「社会主義現代化強国の全面的完成に向けた戦略構想は全体で2段階に分かれている。すなわち、2020年から2035年までに社会主義現代化を基本的に実現し、2035年から今世紀半ばまでにわが国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げる」ということを改めて明確にした。これは、中国の「2段階」の戦略的構想である。
一、「2段階」の戦略的構想
新時代の中国がどこへ向かうのかを観察するのは、次の2つの文で要約できある。
1番目の文は、自分のことをうまくやって、社会主義現代化国家を全面的に建設し、中華民族の偉大な復興を実現することである。
2番目の文は、人類の進歩を促し、新型国際関係の構築を推進し、人類運命共同体の構築を推進することである。
これらの2つの文のうち、最も根本的なのは1番目の文であり、つまり、習近平総書記が最近、「自分のことをうまくやることが最も根本的なことである」と述べた言葉である。
どのような目標や方向に向かって「自分のことをうまくやる」のだろうかという問題考えると、きわめて重要な視点は、中国の将来の発展に関する「2段階」の戦略的配置である。
この戦略的配置は、第19回党大会で提出されたもので、すなわち2020年から今世紀半ばまでに、2段階に分けて計画された。
第1の段階の2020年から2035年までは、小康社会の全面的完成を土台に、さらに15年奮闘して、社会主義現代化を基本的に実現する。
第2の段階の2035年から今世紀半ばまでは、現代化の基本的実現を土台に、さらに15年奮闘して、わが国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げる。
中国共産党第20回全国代表大会は、社会主義現代化強国を全面的に建設するための「2段階」という戦略的配置についてマクロビジョンを示し、今後5年間の戦略的任務と重要な措置を重点的に配置した。
将来の発展のために段階的な戦略的配置を提案し実施することは、中国共産党の計画的伝統と政治的優位であり、中国共産党の執政・興国の貴重な経験でもある。新中国成立直後の1953年、中国は第1次5カ年計画を策定・実施した。当時の主な任務は力を結集して工業化建設を行うとともに、各経済分野における社会主義の改革を加速させることであった。10年後の1964年、第3次5カ年計画の検討中に、中国政府は2段階の戦略を打ち出した。第3次5カ年計画から、第1段階として15年かけて独立的かつ比較的完全な工業体系と国民経済体系を確立し、第2段階としてさらに15年かけて20世紀末までに工業、農業、国防と科学技術の「四つの現代化」という目標を達成する。
改革開放の新時期に入り、われわれは富強・民主・文明の社会主義現代化国家を建設するという壮大な目標をさらに打ち出した。
中国の特色ある社会主義が新時代を迎えるにあたり、われわれが打ち出した新しい「2段階」戦略は、富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国の実現を目指すものである。
中国の発展戦略は常に非常に明確であり、中国共産党中央委員会が下した戦略的決定は常に非常に明確であり、全人民が協力して現代化国家を目指すという奮闘目標は非常に一致している。
「2段階」の戦略的配置には、習近平総書記が強調した「中国式現代化」であり、つまり「社会主義現代化」という肝心かつ中核的な概念がある。
二、「中国式現代化」とは、どのような近代化なのか。
世界には、絶対的唯一の現代化モデルも、どこにでも適用できる現代化基準も存在しない。
国際社会は、この点について共通認識を持っている。
カーター元米国大統領の国家安全保障顧問を務めるブレジンスキーは、2008年の中国「経済観察報」の取材に、アメリカ式現代化と中国式現代化の違いについて、「中国は台頭の大国であり、実際に世界的な大国になりつつあり、もう一つの現代化の道と発展の道を代表している」と明言した。
また、フランスのジャック・シラク元大統領は、2004年8月に人民日報の取材に、「1978年以来、中国は経済と社会の現代化について独自の構想をつくり、中国国民のために今日でも唯一無二の発展モデルを構築してきた」と述べた。
インド統一進歩同盟のソニア・ガンジー議長も、2008年12月16日に新華社記者の取材に、「中国の現代化は、この現代化モデルが比較的短期間に貧困を撲滅し、活力を注ぎ、社会と経済の創造力を解き放つ可能性があることを世界に示した」と述べた。
これらの政治家は、中国式現代化の独特性を明確に理解していた。
中国が建設しようとする社会主義現代化には、各国の現代化に共通する特徴があり、さらに中国の国情に基づく中国の特徴もある。中国式現代化には、少なくとも5つの基本的な特徴がある。
(1)中国式現代化は巨大な人口規模の現代化
(2)中国式現代化は全ての人々が共同富裕の現代化
(3)中国式現代化は物質文明と精神文明の調和のとれた現代化
(4)中国式現代化は人と自然の調和のとれた共生の現代化
(5)中国式現代化は平和的発展の道を歩む現代化
中国式現代化の根本的な内包と本質的な特徴は、中国共産党の指導と社会主義の道を歩むことである。
これらの特徴から、中国式現代化を完成させるのが容易なことではないことが明らかであり、その内包には、少なくとも次のハイライトが含まれる。
一つ目は、14億人の大国を現代化国家にすることである。中国式現代化の目標は、「14億人を全体として現代化社会にする」ということである。これは、非常に困難な課題であるにもかかわらず、われわれは人民を中心とした価値の追求を堅持し、人々のより良い生活への追求を絶えず満たし、人民をともに豊かな道へ導く。そのため、中国式現代化を実現するプロセスも動的であり、順次、差別化された発展を通じて最終的には共同富裕につながるのである。
二つ目は、調和的な発展と全面的な発展が求められることである。中国式現代化は単一の発展ではなく、全面的な発展であり、物質文明と精神文明の同時発展を求めながら、物質文明・政治文明・精神文明・社会文明・生態文明の「五大文明」の調和的な発展を強調する。
三つ目は、人と自然の調和的共生を重視することである。中国式現代化は、人と自然の関係を特に重視し、人と自然の調和的共生を強調し、生産が発展し、生活が豊かになり、生態が良好になるという文明発展の道を歩む。
四つ目は、包容的発展を提唱し、人類文明の多様性を尊重することである。中国式現代化は、自国の繁栄と世界の繁栄の一致、自国の発展と世界の利益との一致を図り、われわれは世界各国とともに互恵・ウィンウィンを主張し、手を携えて人類運命共同体の構築を推進する。
中国式現代化の基本的な特徴と内包を明確に理解すれば、中国式現代化と西洋式現代化の本質的な違いを理解することができる。
西洋式現代化の過程とその重要な成果、かつて人類文明に不可欠な貢献をしたことは否定できない。しかし、人類運命共同体の構築と文明の多様性の追求という世界の人々の願望の中で、西洋式現代化の概念、主張と路線の方向はすでにボルトネックや誤った道に向かっている。
欧米の一部の古い資本主義国は、植民地の暴力的な略奪、対外拡張略奪の現代化、そして他国の遅れを招くことを代償とした現代化の道を歩んでいる。西側の現代化は、資本中心、両極分化、物質主義膨張という現代化である。これらは、いずれも現代化の古い路線である。中国式現代化は、世界各国との互恵・ウィンウィンを強調し、手を携えて人類運命共同体の構築を推進し、人類の平和と発展に貢献するよう努力するものである。中国式現代化は、発展途上国の現代化への新たな道を広げ、より良い社会システムを求める人類に全く新しい解決案を提供した。
三、「不均衡かつ不十分」な発展の問題
中国共産党第20回全国代表大会後の5年間は、社会主義現代化国家の全面的建設をスタートさせる肝心な時期であり、この5年間の発展をうまくやることが第2の百年奮闘目標を実現するために、極めて重要である。
もちろん、まだまだ多くの「不均衡かつ不十分」の問題や、多くの欠点・弱点があることも否定できない。
「不均衡かつ不十分」の問題は、わが国の主な社会的矛盾が人民の日に日に増大する素晴らしい生活への需要と、不均衡かつ不十分な発展との間にある矛盾に現れている。これらの「不均衡かつ不十分」は、現在の中国の経済・社会に見られる。
(一)「不均衡」の問題について
例えば、実体経済と仮想経済との不均衡。中国の実体経済は、依然として構造的な需給不均衡が存在し、金融業の発展が速すぎて、実体経済企業の融資が困難で費用が掛かるという問題が目立っている。
地域の不均衡発展。960万平方キロメートルの中国には、大きな地域差と不均衡な発展があることは、基本的な国情である。経済的に発展した地域や先進省の内部でも、発展の不均衡が存在する。
都市と農村の不均衡発展。わが国の都市部と農村部の発展格差は、依然として顕在化している。
上記以外にも「不均衡」の問題がある。
(二)「不十分」の問題について
例えば、不十分な市場競争。一定の範囲内の市場参入に対する不当な制限は依然として存在する。
不十分な潜在力の発揮。わが国の一人当たりGDPは依然として低く、改善の余地が大いにある。
不十分な制度イノベーション。市場経済の条件下では、まだ制度的な制約が存在する。
上記以外にも「不十分」の問題がある。
これらの「不均衡かつ不十分」な欠点は、中国の将来の経済及び社会発展の方向と焦点、特にわが国の経済発展が質の高い発展へと効果的に転向するという要件を決定する。そのため、第20回党大会の重要な任務の一つは、今後5年間の「きわめて重要」な時期において、不均衡かつ不十分な発展の問題にどう取り組むかを研究し、欠点を直し、弱点を強化し、底を固め、長所を促進し、これらの問題を解決するために新しい構想と新しい措置を提案することである。
四、「共同富裕」をどう理解するか
人民を「共同富裕」に導くことは、中国共産党の終始変わらない追求であり、中華人民共和国が成立した当初に掲げた主要な目標でもある。この目標は、新中国成立前の1949年8月、香港の有名な司教、イギリス人の何明華(Bishop Ronald Owen Hall)に捉えられた。当時、何明華は香港で布教をしていた際、「神が中国に6000年の準備をさせたのは、この輝かしい時が来るのを待っていたからである。共産党の統治のもとで、私はこの種が天を突く大木に成長すると信じている」と感激のあまり述べた。人々の理解不能な目と向き合って、何明華は、「キリスト教は奴隷制を廃止したが、もう一つの悪である私有財産の集中を止めることはできなかった。そして、私有制が常に貧困を招くことは、太平天国の原因だけでなく、国民党の崩壊の要因でもある。おそらく、神はこの罪を滅ぼすためにこそ、共産党を取り込んでいた」とさらに説明した。
このイギリス司教の中国共産党が求めている目標に対する認識は、正確である。「共同富裕」を目指すのは、中国共産党員が中国国民を率いてたゆみなく、絶え間なく奮闘する追求である。新時代に入ってから、習近平同志を核心とする党中央委員会は、人民を共同富裕に導くことが社会主義現代化の重要な目標であり、新時代の中国共産党員の重要な使命であることを明確に提出した。
中国共産党員の「共同富裕」への追求は、古くからある。
「共同富裕」を実現するという問題は、マルクス主義理論が解決すべき基本的問題の一つであり、マルクスとエンゲルスが社会主義と共産主義社会の状況に対する基本的構想である。マルクスとエンゲルスはかつて、社会主義と共産主義の社会において、「生産はすべての人々が豊かになることを目的とする」と想定していた。
新中国成立後、毛沢東主席はかつて、中国共産党の指導のもとで、「中国は年々豊かになり、強くなり、そして年々がより豊かでより強く見える。この豊かさは共通の豊かさであり、この強さは共通の強さであり、誰も分け合う共通のものである」と提案した。
1980年代初期から、改革開放の背景から、鄧小平同志は人々に「われわれは、共同富裕の実現を基本目標とする社会主義の道を堅持する」と繰り返し呼びかけてきた。
中国の特色ある社会主義が新時代に入った後、習近平同志を核心とする党中央委員会は、「共同富裕の着実な推進」の問題を際立った位置に取り上げ、「共同富裕の実現は中国の特色ある社会主義の本質的な要請であり、中国共産党の重要な使命である」、「共同富裕の問題をさらに重視しなければならない」、「全人民の共同富裕の実現という目標に向けて着実に邁進しなければならない」と強調した。
これほど多くの人口全体を真に貧困から脱却させることができるのは、中国だけである。欧米の先進国は、この突出した問題を解決していない。1964年1月8日、ジョンソン米大統領は最初の一般教書演説で、「貧困に対して無条件全面戦争を布告する」と提出した。当時、アメリカの貧困率は19%に達した。その後、アメリカ政府は連邦の貧困撲滅資金を管理するために、「経済機会局(Office of Economic Opportunity)」を設立した。それ以来、アメリカ政府が発表した貧困率は徐々に低下しているものの、10%を超える状態が続けており、アメリカは貧困問題を解決できていない。2010年に発表されたEUの政策文書『欧州2020』では、2020年までに貧困リスクにある人口を8,000万人から6,000万人に減らすことを目標としていたが、この目標は大きな進展を遂げていない。
全党・全国の力を挙げて人民を貧困から完全に脱却させることは、中国共産党の強い指導者だけが真に実現できる。中国が小康社会を全面的に完成するまでの40年間(つまり1980年から2020年まで)、中国は年平均1,900万人近くの貧困人口を減らし、全部で約8億人を貧困から脱却させた。2021年、中国政府は「農村における絶対的貧困を根絶する」という目標を達成し、絶対的貧困の問題を歴史的に解決したと厳かに発表し。
貧困脱却から「共同富裕」への移行は、常に中国社会主義現代化の重要な目標である。共同富裕の着実な推進は、中国が小康社会を全面的に完成した後の大きな課題である。
共同富裕を着実に推進するためには、まず発展問題を解決し、質の高い発展を実現する必要がある。効率を反映し、公平性を促進する所得分配システムを構築する必要がある。各主体機関が「自分のことをうまくやる」と全人民が規律・法律を遵守する必要がある。誰もが豊かになる一方で、「金持ちを殺して、その財産を貧しい人に与える」、「金持ちを殺して、貧しくなる」ということは決してあってはならない。
どうやって共同富裕を実現するかということについて、習近平同志を核心とする中国共産党中央委員会は、総合的な構想を描いた。
第一に、人々を中心とする発展思想を堅持し、質の高い発展の中で共同富裕を促進する。
第二に、効率と公平の関係を正しく処理し、第一次分配、再分配、第三次分配の協和・組み合わせの基本的制度配置を整える。
第三に、中所得層の比重を拡大し、低所得層の収入を増やし、高所得を合理的に調整し、不法所得を取り締まり、真ん中が大きく両端が小さいオリーブ型の分配構造を形成する。
第四に、社会の公平と正義を促進し、人の全面的な発展を促進し、全人民を共同富裕の目標に向かって着実に邁進する。
もちろん、わが党も全人民の共同富裕を実現することは、きわめて困難な任務であり、長期的か複雑な歴史的過程であり、近道がなく、中国国民全体の苦闘によって実現しなければならないことを冷静に強く認識している。そのため、習近平総書記は全党の同志に、「全人民が共同富裕という目標の実現に向けて着実に邁進する」ということを繰り返し呼びかけている。
五、中国の発展理論における「中国の気概」
中国の発展をリードする指導思想は、間違いなく中国化したマルクス主義、特にその最新の理論成果である。中国におけるマルクス主義は、中国の現実と中国の伝統的な文化と結合しなければならず、これによって多くの「中国の特徴、中国のスタイル、中国の気概」が現れた。
一部の外国の政治家が深く理解しているように、われわれの指導思想と外交哲学では、優れた伝統文化の要素が明らかである。ニクソン元大統領とキッシンジャー国務長官は何度かこのことについて話したことがある。例えば、キッシンジャーは著書『中国の話(On China)』の中で、「中国は唯一無二であり、これほど長く途切れることのない文明を享受し、古い戦略と政治的軍略の歴史と伝統をこのように代々と受け継いでいる国が他にない」と書いた。
マルクス主義と中国の現実を結びつける過程で、中国共産党員は、中国の優れた伝統文化の要素を多く取り入れ、両者の間に自然な整合性と内在的な融通性が存在する。
例えば、われわれの奮闘目標の中には、伝統文化における「大道之行(大道の行わるるや)」、「天下為公(天下を公と為す)」、「大同社会(自由平等平和の社会)」の思想がある。
われわれの思想路線の中には、伝統文化における事実に基づいた真実を求める精髄がある。
われわれが人民との関係を取り扱う中には、「人を中心とする」と「安民(国民を安心させること)・富民(国民を富ませること)・楽民(国民を楽しませること)」の思想がある。
われわれの認識論には、「知行合一」、「以行為本(行為を基本とする)」、「以知促行(知識で行動を促す)」の思想がある。
われわれの弁証法には、「禍福相依(禍福は糾える縄の如し)」、「陰陽共生(陰と陽の共生)」、「否極泰来(悪運がその極に達すれば幸運がくる)」の思想がある。
また、小康社会の発展目標、法に基づく国家統治と以徳治国(道徳を以って国を治める)を結合した法治原則、人民を中心とする発展思想、人類運命共同体構築の提唱などは、いずれも中華民族の優れた伝統文化の思想精粋の一部を体現している。
したがって、われわれの指導思想は、何よりもまずマルクス主義であり、マルクス主義と中国の実情と結び付け、中国化され、同時に中国の知恵と中国の精神に富み、中国のスタイルと中国の気概を備えたものである。これらの思想は中国の実情に即しており、中国の発展と進歩を指導することができる。
六、中国の外交には本筋がある
自分のことをうまくやるという前提で、中国は国際関係をどのように扱っているだろうか。全体的な把握として、中国の特色ある大国外交で新型国際関係の構築を推進し、人類運命共同体の構築を促進し、平和・発展・公平・正義・民主・自由という全人類共通の価値を発揚し、人類進歩の潮流をリードする。
国際社会は、中国の外交理念について共通認識がある。2017年、ジュネーブの国連本部で習近平主席が「人類運命共同体の共同構築」と題する演説を行った際、約800人の国際組織責任者や各国の使節、要人の心に強く響き、会場には30回以上の拍手が沸き起こった。第71回国連総会議長のピーター・トムソンは取材に、「中国が提唱している人類運命共同体の構築という理念は、私にとってこの地球上の人類の唯一の未来である」と述べた。
ピーター・トムソンの評価は、国際的に偏見を持たない人々の共通の感覚というべきである。なぜ、彼らはそう感じるのか。中国の特色ある大国外交には、「民族の復興に貢献し、人類の進歩を促進する」という明確な本筋があるからである。
この本筋は、「五つの堅持」の中に現れている。
第一に、平和的発展の道を堅持することである。中国は引き続き平和、発展、協力、ウィンウィンの旗印を高く掲げ、世界の平和を守り、共同発展を促進するという外交政策の趣旨を堅持し、他国の内政干渉に反対し、強い国が弱い国を虐げることに反対し、相互尊重、公平・正義、協力・ウィンウィンという新型国際関係を構築する。中国は、世界各国とともに恒久平和、普遍安全、共同繁栄、開放包容、清潔且つ美しい世界を築き、人類運命共同体をともに構築する。
第二に、グローバルパートナーシップの構築を堅持することである。中国は引き続きパートナーシップの世界的配置を改善し、既存の全面的戦略協力パートナーシップを全方位に構築し、平等と相互尊重に基づいて差異と摩擦を適切に処理し、「親・誠・恵・容(親睦・誠実・互恵・包摂)」の理念に従って周辺各国との戦略的相互信頼と利益融合をさらに強化し、正しい義利観を堅持し、大多数の発展途上国との団結・協力を強化する。
第三に、質の高い「一帯一路」の共同建設を堅持することである。中国はこれまでの「一帯一路」建設に基づいて、引き続き共同協議・共同建設・共有享受という「黄金の法則」を堅持し、開放、グリーン、廉潔の理念を堅持し、「一帯一路」共同建設が質の高い発展へと向かうことを推進する。
第四に、グローバル・ガバナンスシステムの改革のリードを堅持することである。中国はこれまでとおり、グローバル・ガバナンスシステムの改革と構築に積極的に参与し、国連を核心とする国際システムを断固として守り、国際法に基づく国際秩序を守り、WTOを核心とする多国間貿易システムを守り、ガバナンスの空白とガバナンスの混乱を回避し、グローバル・ガバナンスシステムの健全性と安全性を維持するよう努力する。
第五に、国家の主権、安全、発展の利益を断固として守ることである。中国はより堅実な行動とより強力な措置で、国家の主権、安全、発展の利益を守る防衛線を構築していく。
第20回党大会報告の中で、習近平総書記は、「人類運命共同体の構築は世界各国の人々の前途である」と「中国は終始一貫して「世界の平和を擁護し、共同発展を促進する」という外交政策の趣旨を堅持し、力を尽くして人類運命共同体の構築を推進していく」と深く指摘した。
また、「人類運命共同体の構築は一つのすばらしい目標であり、また一代一代とバトンを受け継いではじめて実現される目標でもある。中国は広範な加盟国、国際機関とともに、人類運命共同体構築の偉大なプロセスを進めることを願っている」と述べた。
(作者:中共中央党史・文献研究院対外協力交流局 楊明偉)
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