中国式現代化の顕著な特徴

| 著者:曲青山 | 発表時間:2023-09-05

 顕著な特徴:中国式現代化は巨大な人口規模を抱えた中で実現する現代化である。

 習近平総書記がこの問題を強調する理由は、巨大な人口規模を抱えた中で実現する現代化の「顕著な特徴」だからである。この「顕著な特徴」を正しく理解し、適切に把握することは、中国式現代化を実践する過程において効果的に推進する上で極めて重要である。

 巨大な人口規模は中国の特殊な国情である。中国は世界総人口の1/5を占め、非常に多くの人口を抱えている。現在までに、先進国は世界に30か国に満たず、そのうちの人口総数は10億人を超えない。その中で、総人口が最も多い国はアメリカで、次いで日本である。 現在、アメリカの人口は3億3,300万人で、日本が1億2,500万人であるが、アメリカの総人口は中国の1/4で、日本は1/11に過ぎない。一方、他の国々、例えばドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、韓国、カナダなどは、いずれも数千万人規模であり、その中でもドイツは8,400万人以上の人口を抱え、首位となっている。ポルトガルとスウェーデンは数千万人で、スイス、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、シンガポールは数百万人である。シンガポールの人口は560万人余りで、国土面積はわずか733平方キロメートルしかなく、「国家都市、都市国家」として知られている。中国の巨大な人口規模は世界でも類を見ないものである。

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 (キャプション:2023年7月28日夜、第31回夏季ユニバーシアードの開会式が成都東安湖運動公園メインスタジアムで行われた。これは成都ユニバーシアードの聖火台である。(新華社記者 曹禕銘/撮影)。)

 巨大な人口規模は、複雑で困難な課題を抱えている。中国の人口は多く、またその分布が均等ではない。東部と東南部は人口密集が高く、一方で西部や西北部は人口がまばらである。中国の一人当たりの耕地、水資源、鉱物資源の保有量は、世界平均水準をはるかに下回っている。中国の一人当たりの耕地面積は、世界平均水準の半分に満たないほどであり、一人当たりの水資源量は世界平均水準の約4分の1しかない。人口基数が非常に大きいため、中国では小さな問題でも、それが14億人以上の人口に乗じられると、世界的な難題に変わってしまう。同様に、富の総額が多くても、それを14億人以上で分けると、一人当たりの量が急速に減少してしまう。食事、雇用、資源配分、教育、医療、住宅、介護、幼児教育・保育など、どの課題も容易に解決できるものではない。中国式現代化は、その困難性と複雑性が前例のないものである。

 巨大な人口規模を抱える中国は、独自の道を歩まなければならない。中国の「大一統」の政治、多様性を認める「一体多元」の文化、および分散的でありながらも集中的な「大分散小集結」の民族分布パターンは、歴史によって形成されてきた。中国国内の各民族は、中華民族の形成に歴史的な貢献をした。中国の長い歴史、豊かな文化、独自の価値観、そして人文精神は、中国が現代化を進める際に、学び取るための既存のモデルも、前例も存在しないことを決定づけている。西洋式現代化は、工業化、都市化、農業現代化、情報化の発展という「タンデム式」のプロセスを経てきたが、中国式現代化は、工業化、情報化、都市化、農業現代化が同時に進行する「パラレル式」のプロセスとなる。中国式現代化の発展ルートと推進方式は、必然的に独自の特徴と中国特有の特徴を持つことになる。

 巨大な人口規模は、人類の文明進歩に重要な貢献をする。中国は、世界の9%の耕地で世界総人口の約20%を養っている。改革開放以来、中国は約8億人の貧困人口を削減し、世界の貧困削減の70%以上を占め、世界の貧困削減に大きく貢献してきた。中国現代化は、「現代化=西洋化」という誤解を打ち破り、かつてない新しい展望を示し、世界に新たな現代化のモデルを提供し、発展途上国に新しい選択肢をもたらし、世界の平和と発展に対する中国の知恵、中国のアイディア、中国の力を貢献している。中国が現代化を実現することは、世界の現代化の地図を塗り替えるだろう。

 巨大な人口規模がもたらす現代化の「顕著な特徴」は、中国式現代化のプロセスを推進する上で、中国の国情に即して問題を考え、決定を下し、行動をすることが求められる。高望みをせず、旧習にとらわれず、歴史的な忍耐を持ちながら、安定した進展を求め、段階的な進歩を堅持し、持続的な前進を実現する必要がある。

 筆者:中共中央党史・文献研究院長

 出典:「求是」2023/16


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