2020年の中国イノベーション指数が最高を更新 イノベーション能力と水準が持続的に向上

——国家統計局社科文司首席統計師の李胤氏は2020年中国イノベーション指数を解説

| | 発表時間:2021-12-01

 最近、国家統計局の『中国イノベーション指数研究』課題チームは2020年の中国イノベーション指数の推計結果を発表し、国家統計局社科文司首席統計師の李胤氏はこれについて解説した。

 推計結果から見ると、2020年の中国イノベーション指数は前年比6.4%増の242.6に達し、4分野の21つの評価指標のうち、19つの指標指数が前年に比べて上昇したことがあり、その中で、労働力の中で短大及びそれ以上の学歴人数指数、理工系卒業生が適齢人口に占める割合指数、加算控除・減免税を享受する企業が占める割合指数、研究開発(R&D)人員1万人あたりの特許取得数指数、企業100社あたりの商標保有数指数、科学技術活動人員1万人あたりの技術市場成約額指数など6つの指標指数はいずれも2桁の伸びを実現した。中国イノベーション指数の動向は、複雑で厳しい国内外の情勢に直面しているところ、特に新型コロナウイルスによる肺炎感染症の衝撃などの不利な要素に対して、中国は現代化建設の全局におけるイノベーションの核心的地位を堅持し、イノベーション駆動型発展戦略を深く実施し、イノベーション能力と水準を更に向上させ、イノベーションの原動力を加速的に放出し、経済の安定した比較的速い成長を維持し、経済の質の高い発展を推進するために重要な支えを提供していることを示す。

 一、イノベーション環境が絶えず最適化される

 2020年のイノベーション環境指数値は、前年比6.3%増の266.3となった。疫病の影響を受け、国家財政の科学技術支出規模がやや減少したため、財政支出における科学技術支出の占める割合指数が低下したが、この分野の他の4つの評価指標指数はいずれも成長を実現した。

 加算控除・減免税政策の効果が出続けている。控除比率の向上、適用範囲の拡大、申告手続きの最適化などの多くの政策措置が着実に実行されるにつれて、企業政策の恩恵面が拡大し、政策の認識度と減税力が絶えず向上している。2020年、規模以上の産業企業の中で恩恵を受けた企業は前年比40.3%増の7.1万社、減税額は前年比22.4%増の1713.4億元、政策効果がはっきりしているとした企業の割合は前年比2.3ポイント増の89.4%に達した。

 理工系卒業生が比較的急速に増加している。理工系卒業生は科学技術イノベーションの潜在的な資源であり、『欧州イノベーションスコアボード』などの国際主流イノベーション評価システムにおける重要な監視指標である。2020年、中国の理工農医類卒業生は243.4万人に達し、前年より17.2万人増加し、増加率は7.6%で、2013年以来の最高となった。

 二、イノベーションへの投資が引き続き増加している

 2020年のイノベーション投資指数値は前年比5.4%増の209.7で、増加率は前年比2.4ポイント上昇した。同分野の6つの評価指標指数はいずれも異なる程度の成長を実現した。

 研究開発への投資は比較的速い伸びを維持している。2020年、中国のR&D経費投資は前年比10.2%増の24393.1億元に達して、5年連続で2桁の成長を実現して、投資総額は世界第2位に安定している。投資強度(R&D経費対GDP比)は前年比0.16ポイント増の2.40%で、上昇幅は2010年以来の最高を記録した。世界の主要経済体における投資強度の順位は2016年の16位から12位に上昇し、OECD諸国の平均水準に近づいている。R&D人員のフルタイム当量は前年比9%増の523.5万人に達し、引き続き世界第1位をキープしている。

 企業のイノベーション主体としての地位をより強固にする。2020年、中国企業のR&D経費は前年比10.4%増の18673.8億元に達し、そのうち、規模以上の産業企業のR&D経費は前年比9.3%増の15271.3億元、企業のR&D経費の全社会のR&D経費増加への貢献度は前年比9.4ポイント増の77.9%に達した。規模以上の産業企業のうち、20.8万社が技術革新活動を展開し、全体に占める割合は前年比2.5ポイント増の52.1%となり、初めて50%を突破した。

 三、イノベーション成果が比較的速く伸びている

 2020年のイノベーション成果の指数値は前年比8.5%増の319.8で、指数水準は4つのサブ分野でトップとなった。この分野の5つの評価指標指数のうち、発明特許の権利付与数が特許の権利付与数に占める割合指数は、発明特許の権利付与の増加幅が特許の権利付与の増加幅を著しく下回ったために低下したほか、他の4つの指標指数はいずれも成長を実現した。

 イノベーションは大きな成果を続々と生み出している。2020年、中国国内の特許権利付与数は352.1万件に達し、前年より42.3%大幅に増加した。そのうち、発明特許の権利付与は22.1%増の44.1万件、発表された科学技術論文は0.3%増の195.2万編となった。企業ブランドの構築が絶えず推進され、2020年末現在、大・中型産業企業の登録商標保有件数は前年比14.5%増の61.6万件を達成した。

 技術市場は急速に発展している。2020年、中国の技術市場の成約契約額は前年比26.1%増の28251.5億元に達した。技術取引額の急速な成長は、技術移転・転化が絶えず加速していることを示している。2020年の科学技術活動者1万人あたりの平均技術市場取引額は前年比19.1%増の21.9億元で、増加率は前年より2.4ポイント上昇した。科学技術活動者1万人あたりの技術市場成約額指数は582.3(2005年を100とする)に達し、指数値は全21の評価指標のトップになった。

 四、イノベーション効果がさらに現れている

 2020年のイノベーション効果指数値は前年比3.8%増の174.7で、増加率は前年より1ポイント上昇した。同分野の5つの評価指標指数はいずれも異なる程度の成長を実現した。

 新製品の販売が再び好調を記録した。2020年、中国の大・中型産業企業が実現した新製品の売上高は18.3万億元で、主要業務収入との比率は27.4%で、前年より2.5ポイント上昇し、全体に占める割合は過去最高を記録した。そのうち、国際市場水準に達した新製品の売上高は前年比6.3%増の2.5万億元、国内市場水準に達した新製品の売上高は7.3%増の6.5万億元となった。

 エネルギー消費レベルは引き続き低下している。科学技術イノベーションはグリーン発展をさらに推進している。初歩的な計算によると、2020年、中国のエネルギー消費総量は前年比2.2%増の49.8億トンの標準石炭で、石炭消費量はエネルギー消費総量の56.8%を占め、前年より0.9ポイント下がった。天然ガス、水力発電、原子力発電、風力発電などのクリーンエネルギー消費量はエネルギー消費全体の24.3%を占め、前年より1ポイント上昇した。比較可能な価格で計算すると、GDP当たりのエネルギー消費量は前年比0.1%減少した。

 以上、2020年の中国イノベーション指数は、中国のイノベーション能力と水準が向上し続けていることを示している。一方、中国の基礎科学研究の弱点は依然として際立って、重大な独創的成果が不足し、肝心な核心技術が人に制約される局面は根本的に変わらず、科学技術成果の転化能力はまだ高くなく、人材の発展と奨励メカニズムのさらなる健全化が待たれる。次の段階として、イノベーション駆動型発展戦略をさらに貫徹し、発展の新たな優位性を全面的に形成し、科学技術強国建設の推進を加速させていく。


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