『人民主体の堅持を論じる』

出版社: 中央文献出版社

出版年日: 2021年11月

出版にあたって

 中国は労働者階級が指導し、労農同盟を基礎とした人民民主専政の社会主義国家であり、国のすべての権力は人民に属する。人民主体は、社会主義民主政治の本質と核心である。中国共産党第18回全国代表大会以来、習近平氏を核心とする党中央は、人民主体を堅持し、社会主義民主政治を積極的に発展させ、党の指導、人民主体、法に基づく国家統治の有機的一体化制度を全面的に強化し、党の指導体制とメカニズムが継続的に改善され、社会主義民主を不断に発展し、党内民主がより広くなり、社会主義協商民主を全面的に展開し、愛国統一戦線を強化し、民族・宗教の政策が革新的に推進し、改革開放と社会主義現代化建設が有力に促進し、国家の統一、民族の団結、社会の安定が有力に維持した。

 人民主体の堅持は、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」の重要部分をなし、中国の特色ある社会主義政治発展の道を堅持し、全過程の人民民主建設を積極的に発展させ、中国の特色ある社会主義制度を改善・発展させ、国家ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を推進し、社会主義現代化国家建設の新たな勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するよう導くうえで、非常に重要な指導的意義を持つ。広範な幹部と大衆が習近平氏の人民主体の堅持に関する重要な論述を深く学習するために、われわれは習近平氏の関連論述を編集して『人民主体の堅持を論じる』という本にした。

 同書は中国共産党第18回全国代表大会以来、人民主体の堅持に関する習近平氏の重要文書50編を収録しており、初公開のものも含まれる。

 中共中央党史・文献研究院

 二〇二一年十月

主要文章の概要

 中共中央党史・文献研究院が編集した、習近平総書記著『人民主体の堅持について』には、総書記による2012年12月4日から2021年10月13日までの人民主体の堅持に関する重要原稿50篇が収録されている。以下はこの特別テーマ文集にある主要文章の概要である。

 ●「首都各界の現行憲法公布・施行30周年記念大会における演説」は2012年12月4日、総書記が行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 憲法は国家の基礎法であり、国を治め安定させるための最高法規である。われわれは憲法を確実に尊重し、効果的に実行しさえすれば、人民主体が保証され、党と国家の事業が順調に発展することができるのである。憲法を全面的に貫徹し実施することは、社会主義法治国家を建設する上で最も重要な任務であり基礎的な取組である。それゆえ、正しい政治的方向を堅持して揺るぐことなく中国の特色ある社会主義政治発展の道を歩み、法に基づく国家統治の基本方針を徹底して社会主義法治国家の建設を速め、人民の主体的地位を堅持して公民の権利の享有と義務の履行を確実に保障し、党の指導を堅持しつつ党の指導方法と執政方法の改善にさらに重きを置いて、憲法の全面的な実施を新たな水準へと引き上げなければならない。

 ●「第12期全国人民代表大会第1回会議における講話」は2013年3月17日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現することとは、国家の富強、民族の振興、人民の幸福を実現することである。中国の夢を実現するには中国の道を歩まなくてはならないが、この道こそ中国の特色ある社会主義の道にほかならない。中国の夢を実現するには中国精神を発揚しなければならないが、この精神こそ愛国主義を中核とする民族精神、改革・革新を中核とする時代精神にほかならない。中国の夢を実現するには中国の力を結集しなければならないが、この力こそ中国各民族人民の大団結の力にほかならない。中国の夢とはつまり人民の夢であるため、人民にしっかりと依拠して実現させるものであり、絶えず人民に幸福をもたらすものでなければならない。

 ●「わが国の労働者階級の重要な役割を十分に発揮させなければならない」は2013年4月28日、総書記が全国模範労働者代表との座談会で行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民は歴史をつくり、労働は未来を切り開く。われわれの奮闘目標を達成し、明るい未来を切り開くためには、人民にしっかりと依拠し、終始人民に尽くすとともに、勤勉な労働、誠実な労働、創造的な労働に頼らなければならない。未来に向かう征途において、労働者階級の主力軍としての役割を十分に発揮させ、労働者階級にしっかりと依拠して中国の特色ある社会主義を発展させ、労働を尊び労働者に幸福をもたらすことを堅持し、模範労働者精神を大きく発揚し、模範労働者の役割を発揮させなければならない。

 ●「広範な婦人は終始党と人民の事業の発展を促す重要な力である」は2013年10月31日、総書記が全国婦人連合会の新指導陣との座談会で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中華民族の偉大な復興を実現することは党と国家の活動の大局であり、現代の中国婦人運動の時代的テーマでもある。それゆえ、この時代的テーマをしっかりととらえ、中国の発展・進歩の過程と男女平等の発展促進の過程をより緊密に融合させて、わが国の婦人事業の発展により豊富な時代の要素を取り込んで、わが国の数億の婦人たちにより重要な責任ある仕事を担ってもらわなければならない。また、揺るぐことなく中国の特色ある社会主義の婦人事業の発展の道を歩み、広範な婦人との連携と奉仕を活動の生命線に位置付け、活動の軸足を末端に置くとともに、社会生活と家庭生活における婦人としての役割と、中華民族の家庭美徳の発揚や家庭のよい雰囲気を作る上で婦人の果たす役割を重視する必要がある。

 ●「大衆路線を国政運営のすべての活動において徹底する」は2013年12月26日、総書記が毛沢東同志生誕120周年記念座談会で行ったスピーチの一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 大衆路線はわが党の生命線かつ根本的活動路線であり、わが党が青春の活力と戦闘力を永遠に保つ重要な切り札である。現在、過去、未来を問わず、われわれはあくまでも、すべては大衆のために、すべてを大衆に依拠し、大衆のなかから生まれ、大衆のなかへ回帰するということを堅持して、党の正しい主張を大衆の自覚ある行動に変え、大衆路線を国政運営のすべての活動において徹底すべきである。大衆路線を堅持するには、人民こそわれわれの前途・運命を決める根本的力であるということを堅持し、誠心誠意人民に奉仕するという根本目的を堅持し、党と人民大衆との血肉のつながりを保ち、真に人民にわれわれの活動を評価し判断してもらわなければならない。

 ●「党の指導の堅持・人民主体・法に基づく国家統治の有機的な結びつきにおいて、最も根本となるのは党の指導の堅持である」は、2014年1月から2018年12月にかけて総書記の書かれた文章からの抜粋である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党の指導と社会主義法治は一致しており、党の指導を堅持してはじめて人民主体を十分に実現させることができ、国家と社会生活の制度化・法治化を秩序立てて推進することができるのである。党の指導の堅持と人民主体、法に基づく国家統治が対立することはおろか、人民主体と法に基づく国家統治によって党の指導を揺るがし、否定してはならない。そのようなやり方は、思想において誤りであり、政治において非常に危険なものである。党の指導の堅持と人民民主と法に基づく国家統治を有機的に結びつける中で社会主義的民主政治建設を推進し、人民主体の制度上の保障を不断に強化して、より着実に、より効果的に人民民主主義を実施しなければならない。

 ●「なぜ改革の全面的深化という総目標をうち出す必要があるのか」は2014年2月17日、総書記が18期3中全会の精神の学習・貫徹と改革の全面的深化をテーマとした省・部級主要指導幹部セミナーで行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 今われわれの直面している重要な歴史的任務は、中国の特色ある社会主義制度を、より成熟した、より形の整ったものにしていくことである。このような制度の形成から見れば、わが国の社会主義の実践の道のりの半分をすでに歩んできたが、この前半のわれわれの歴史的任務は、主として社会主義の基本制度を確立するとともに、これをもとにして改革を進めることであった。後半のわれわれの歴史的任務は、主として中国の特色ある社会主義制度を充実・発展させ、党と国家の事業の発展のために、一連のより完備した、より安定的な、より実効性のある制度体系を構築することである。このプロジェクトはきわめて壮大であるため、全面的かつ系統的な改革・改善を進めた上で、各分野の改革と改善を連動させながら集約し、国家統治体系と統治能力の現代化を推進する中で総体的な効果をあげなければならない。

 ●「全国人民代表大会創立60周年祝賀大会における演説」は2014年9月5日、総書記が行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国で人民代表大会制度を実行することは、人類政治制度史における中国人民の偉大な創造であり、近代以降の中国政治生活における痛ましい教訓を深く総括して導き出した基本的結論であり、中国社会が百年以上にわたり激しく変革し発展してきた歴史的結果であり、中国人民が解放されて国の主人公となり、自らの運命を自分の手に握るための必然的な選択である。人民代表大会制度を堅持し充実させるには、いささかも揺るぐことなく中国共産党の指導を堅持し、人民主体を保証し発展させ、法に基づく国家統治を全面的に推進し、民主集中制を堅持しなければならない。また、社会主義民主政治の制度化・規範化・手続き化を不断に推し進め、中国の特色ある社会主義政治制度の優位性をよりよく発揮させ、党と国家の繁栄・発展と長期的な安定に向けて一層完備した制度保障を提供しなければならない。

 ●「中国人民政治協商会議創立60周年祝賀大会における演説」は2014年9月21日、総書記が行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国共産党が人民を指導して人民民主主義を実行することは人民主体を保証し支持することである。社会主義の協商民主は中国の社会主義民主政治特有の形態と独特な優位性であり、中国共産党の大衆路線の政治分野における重要な具現化したものである。人民が選挙や投票を通じて権利を行使することと、人民内部の各方面が重要な意思決定を行う前に十分に協議して共通の課題で意見の一致をみることは、中国社会主義民主の二つの重要な形である。中国において、この二つの民主形態は互いに代替可能であり、相反するものではなく、互いに補完し合って相乗効果を生むものであり、ともに中国社会主義的民主政治の制度的特徴と優位性を形成している。

 ●「揺るぐことなく中国の特色ある社会主義法治の道を歩む」は2014年10月23日、総書記が中国共産党第18期4中全会第2回全体会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが国の社会主義制度は、人民の主人公としての主体的地位を保証するとともに、人民の法に基づく国家統治の全面的推進における主体的地位を保証している。人民の主体的地位を堅持するには、人民に尽くし、人民に依拠し、人民に幸福をもたらし、人民を守る法治を堅持しなければならない。人民の利益を具現化し、人民の願いを反映させ、人民の権利と利益を守り、人民の福祉を増進することを法に基づく国家統治の全過程で徹底し、法律及びその実施において人民の意思を十分に示さなければならない。

 ●「メーデー祝賀会および全国模範労働者・先進職員表彰大会における講話」は2015年4月28日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが国の労働者階級はわが党の最も堅い、最も信頼できる階級的基盤である。労働者階級と広範な労働大衆は常にわが国経済の発展を推進し、社会の安定・団結を守る根本的な力である。それゆえ、終始一貫して人民の主体的地位を堅持し、労働者階級と広範な労働大衆の積極性・能動性・創造性を十分に引き出す必要がある。社会主義民主を発展させ、労働者階級と広範な労働大衆の民主的権利を確実に保障し不断に発展させる必要がある。人民の創造精神を尊重し、労働者階級と広範な労働大衆の中に秘めた限りない創造の活力を引き出し、彼らの英知と力をさまざまな事業の推進に向けて結集しなければならない。

 ●「新たな情勢下で統一戦線の活動にしっかりと取り組む重要な意義を深く認識する」は2015年5月18日、総書記が中央統一戦線活動会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人心の向背や敵味方の力関係は党と人民の事業の成否を決めるカギであり、最大の政治である。統一戦線活動の本質的要請は大団結・大連合であり、その目的は人心と力関係の問題を解決することである。新たな情勢下で統一戦線の活動にしっかりと取り組むには、法則の把握や原則の堅持、方法の重視に努め、中でも最も根本的なのは党の指導を堅持することである。また、一致性と多様性との関係を正しく処理し、社交性を高めて公の利益をはかる立場から肝胆相照らす党外の友人をより多く作らなければならない。

 ●「党の大衆団体関連活動と大衆団体・組織の政治性・先進性・大衆性を維持し強化する」は2015年7月6日、総書記が党の大衆団体関連活動中央会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党の大衆団体関連活動は党が大衆団体・組織を通じて進める大衆活動であり、党が広範な人民大衆を組織・動員して党の中心的任務遂行のために奮闘する上での重要な活動である。それゆえ、党の大衆団体関連活動の強化・改善により、主力軍としての労働者階級と新鋭軍としての青年、世界の半分を支える婦人の役割、第一の資源としての人材の役割を十分に発揮させて、13億余りの人民の積極性を十分に引き出さなければならない。党の執政の階級的基盤と大衆的基盤の強化という政治的高みに立って党の大衆団体関連活動にしっかりと取り組み、党が常に広範な人民大衆と一心同体でなければならない。大衆団体・組織を一段と活力に満ち溢れ、より力強く、強固なものにし、国家統治体系と統治能力の現代化を促す重要な力となるようにしなければならない。

 ●「中国人民のさまざまな基本的権利の尊重・保障水準を絶えず向上させる」は2015年9月から2018年12月にかけての間に、総書記が書いた多くの文章から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民が幸福に暮らすことは最も重要な人権であり、中国共産党と中国政府は終始一貫して人権を尊重し、保障するものである。中国は人権の普遍性の原則と現代の実際とを結びつけて国情に即した人権発展の道を歩み、人民を中心とする人権の理念を貫いて生存権と発展権を最も重要な基本的人権とし、人権の法治による保障を強化し、全人民の経済・政治・社会・文化・環境上の権利をバランスよく増進させ、社会の公平性・正義の維持に努め、人々の全面的発展を促すことを堅持する。また、人権の保障には最良はなくとも、最善を求めるべきであると強調する。それゆえ、中国人民は各国人民とともに、より公正かつ合理的で、包摂的な人権のグローバルガバナンスの形成を促進し、共同で人類運命共同体を構築していきたいと考えている。

 ●「党の宗教関連活動の基本方針を堅持し、新たな情勢下での宗教関連活動にしっかりと取り組む」は2016年4月22日、総書記が全国宗教関連活動会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 宗教問題は常にわが党が国政運営においてよく処理しなければならない重要な課題である。それゆえ、宗教関連活動にしっかりと取り組むには、党の宗教関連活動の基本方針を堅持して、広範な宗教の信者と無宗教者を最大限に団結させなければならない。愛国主義と社会主義の旗印の下で宗教界と統一戦線を組むことは、わが党が宗教問題を処理する上での明らかな特色であり、政治的優位性である。政治面では団結・協力を、信仰面では相互尊重を堅持して、彼らとふれあい、じっくりと話し合い、さらなるサポートを行って、道理にかなった説明をし、感情で心を動かすとともに、実際に困っていることを解決することによって彼らに関心を持ってもらい、結束を固めていかなければならない。

 ●「わが国の数億もの勤労大衆こそ小康社会を全面的に完成する主体的力である」は2016年4月26日、総書記が知識人・模範労働者・青年代表座談会で行った談話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが国は労働者階級が指導し、労農同盟を基盤とする人民民主主義独裁の社会主義国家である。知識人は労働者階級の一部であり、労働人民は国家の主人公であり、青年は中国の特色ある社会主義事業の後継者であり、国家の未来と民族の希望である。小康社会を全面的に完成した上で、富強・民主・文明・調和の社会主義現代化国家を築き上げ、中華民族の偉大な復興を実現するには、知識と勤労に頼り、広範な青年に頼らなければならない。広範な知識人・勤労大衆・青年たちは時代の波に乗り、使命を担い、鋭意進取に励み、自身の前途・運命を国家と民族の前途・運命と緊密に結びつけて、小康社会の全面的完成のために英知と力を貢献するよう努めなければならない。

 ●「人民の立場は中国共産党の根本的な政治的立場である」は2016年7月1日、総書記が中国共産党成立95周年祝賀大会で行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民の立場は中国共産党の根本的な政治的立場であり、マルクス主義政党が他の政党と一線を画す顕著な特徴である。初心を忘れず前進し続けることを堅持するには、党の基盤と党の力は人民にあるということを固く信じ、あくまでもすべては人民のため、すべてを人民に依拠し、広範な人民大衆の積極性・能動性・創造性を十分に発揮させ、人民に幸福をもたらす事業を絶えず前へ推し進めなければならない。また、人民の主体的地位を尊重し、人民主体を保証することはわが党の一貫した主張であると強調する。それゆえ、われわれはいささかも揺るぐことなく中国の特色ある社会主義政治発展の道を歩み、人民代表大会制度と中国共産党の指導する多党協力・政治協商制度、民族区域自治制度、末端の大衆自治制度を長期的に堅持し、全面的に貫徹し、不断に発展させるとともに、社会主義の協商民主を発展させ、最も広範な愛国統一戦線をうち固め発展させて、人民大衆の秩序ある政治参加を拡大させ、人民の国家のガバナンスと社会のガバナンスへの幅広い参加を保証し、活気ある、安定して団結した政治的局面を形成しなければならない。

 ●「人民の選挙権と被選挙権を保障する」は2016年11月15日、総書記が北京の市区人民代表改選投票に参加した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 選挙活動は党の指導と民主の発揚を堅持し、厳格に法に基づいて行い、人民の選挙権と被選挙権が保障されなければならない。また、選挙活動への監督を強化し、法律法規違反行為に対して一切容認せず、選挙活動の清廉公正な気風を確保しなければならない。

 ●「党中央の権威を守り、民主集中制を徹底する」は2017年2月13日、総書記が18期6中全会の精神の学習・貫徹をテーマとした省・部級主要指導幹部セミナーにおいて行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 権威ある党中央であってこそ、全党を固く結集させ、さらに全国各民族人民を緊密に団結させて心を一つにし、向かうところ敵なしの強大な力を形成することができるのである。党中央の権威擁護と集中的・統一的指導を強調することは、民主集中制を放棄することではなく、この両者を対立させてはいけない。われわれが実行する民主集中制は、集中的でもあり民主的でもある、また規律もあるが自由もあり、意志の統一を図ることもあれば、個人の気持ちが尊重される制度であり、民主と集中が緊密に結びついた制度である。

 ●「わが国の広範な知識人は大局を念頭に置き、自己超越の意識を高めるべきである」は2017年3月4日、総書記が第12期全国政治協商会議第5回会議で民主促進会・農工民主党・九三学社の代表チーム合同会議に参加した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 偉大な事業は、われわれが知識と知識人を必要とし、また知識人による国家の富強、民族の振興、人民の幸福に向けた貢献を一層必要とすることを決めた。それゆえ、社会全体で知識人に関心を寄せ、彼らを尊重し、広範な知識人の活動や学習のためによりよい条件をつくり出さなければならない。わが国の広範な知識人には国家至上・民族至上・人民至上の理念を堅持し、積極的に革新・発展の実践に身を投じ、絶えず革新の高峰に挑戦することを望んでいる。

 ●「人民主体の制度体系を整備し、社会主義民主政治を発展させる」は2017年10月18日、総書記が第19回党大会で行った報告の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが国の社会主義民主は人民の根本的利益を守る上で最も広範で最も本質的かつ最も効果的な民主である。社会主義民主政治を発展させるのは、人民の意志を反映し、人民の権利・利益を保障し、人民の創造的活力を引き出し、制度体系によって人民主体を保証するためにほかならない。それゆえ、わが国の社会主義民主政治を長期にわたり堅持し、不断に発展させ、積極的かつ着実に政治体制改革を推し進め、社会主義民主政治の制度化・規範化・手続き化を推し進め、人民が法に基づきさまざまなルートや形で国家の事柄、経済・文化事業、社会の事柄を管理し、活気に満ちた安定・団結のある政治的局面をうち固め、発展させる必要がある。人民の秩序ある政治参加を拡大させて、人民が法に基づいて民主的選挙、民主的協商、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督を行うことができるようにする。

 ●「農村のガバナンス体系を革新し、農村の良好な統治の道を歩む」は2017年12月28日、総書記が中央農村活動会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 農村のガバナンスを強化・革新し、自治・法治・徳治が互いに結びついた農村ガバナンス体系を整備して、農村社会を活気に満ちた、調和のとれた秩序ある社会にする。党の指導によって全局を統括し、農村の住民自治を効果的に実現する方式を革新し、社会ガバナンスとサービスの重点を末端に移すよう促す。末端の民主協商を実現する方式を充実させ、農村住民による監督の役割を発揮させ、農民自身に「参与権・審議権・意思決定権」を委ね、村の事柄は村民の協議により決定できるようにする。

 ●「中華人民共和国のすべての権力は人民に属する」は2018年1月19日、総書記が19期2中全会で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 憲法は、中華人民共和国のすべての権力は人民に属し、人民が国家権力を行使する機関は全国人民代表大会と各級地方人民代表大会であり、人民代表大会はわが国の根本的な政治制度であると規定している。それゆえ、人民が人民代表大会を通じて国家権力を行使することを支持し保障するとともに、党の路線・方針・政策を法的手続きを通して速やかに国家の法律に格上げし、完備した法律を通じて憲法の実施を推進すべきである。

 ●「党・国家機構改革の深化に関する基本方針と実行計画案についての説明」は2018年2月26日、総書記が19期3中全会で行った説明である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 今回の機構改革の深化は、系統的で全体的な、再構築による変革であり、以前に比べ全面的かつ徹底した、実行可能性の高い改革のためのトップダウン設計である。党・国家機構改革を深化させる目的は、党と国家の事業の発展をよりよく推進し、日増しに増大する人民の素晴らしい生活への需要をよりよく満たし、人々の全面的発展、社会の全面的進歩、人民の共同富裕をよりよく促すことにある。人民の主体的地位を堅持し、人民主体に関わる制度体系を整備し、人民の利益をはかり、人民に役立つ仕事をし、人民の不安を解消するための体制・仕組みと、人民の権利・利益を保障し、人民からの監督を受けるための体制・仕組みを充実させ、人民による国に関する事柄、経済・文化事業、社会に関する事柄の管理をさらに力強く保障しなければならない。

 ●「全党の思想を党の19期3中全会の精神に確実に統一させる」は2018年2月28日、総書記が中国共産党19期3中全会第2回全体会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全会の精神を徹底するには、◇党中央の権威と集中的・統一的指導の堅持という根本的なこと、◇党と国家機構改革深化の目標、◇社会主義市場経済改革方向性の堅持という要請と資源配置における市場の決定的な役割の発揮および政府の役割のさらなる発揮、◇人民を中心とする発展思想に立脚して、人民が最も関心を寄せる、最も直接的で最も現実的な日常生活面の困難を着実に解決すること、◇中央と地方の両方の積極性を十分に発揮させることについて正しく理解し、とらえなければならない。

 ●「第13期全国人民代表大会第1回会議における講話」は2018年3月20日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国人民は偉大な創造の精神、偉大な奮闘の精神、偉大な団結の精神、そして偉大な夢を実現する精神を持つ人民である。われわれはあくまでも人民の立場に立ち、人民の主体的地位を堅持して、人民の擁護や賛同、喜び、期待が得られているのかどうかをすべての活動の効果を評価する根本的な基準とし、人民が最も関心を寄せる、最も直接かつ最も現実的な日常生活面の困難の解決に力を入れ、中国人民と中華民族のすべての人々が中華民族の偉大な復興を実現する歴史的過程の中で幸福と誇りを共に享受できるようにしなければならない。

 ●「国家の希望は青年にあり、民族の未来は青年にある」は2019年4月30日、総書記が五・四運動100周年記念大会で行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 新時代における中国青年運動のメインテーマとその方向性、新時代における中国青年の使命とは、中国共産党の指導を堅持し、人民とともに「二つの百周年」の奮闘目標の実現、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けて奮闘することにある。それゆえ、新時代の中国青年は引き続き五・四運動精神を発揚し、中華民族の偉大な復興を自らの責務として、党と人民の期待、民族の切なる負託に応え、われわれの生きているこの偉大な時代に応えていかなければならない。

 ●「中央政治協商活動会議および中国人民政治協商会議成立70周年祝賀大会におけるスピーチ」は2019年9月20日、総書記が行ったスピーチである。その中で、総書記は次のように指摘している。

 協商民主は党が人民を指導して効果的に国家を統治し、人民主体を保障するための重要な制度設計である。新時代において、人民政治協商に関する活動を強化・改善する上での全般的要請は次の通りである。新時代における中国の特色ある社会主義思想を導きとして、「「四つの意識」を強化し、「四つの自信」をうち固め、「二つの擁護」を徹底し、中国の特色ある社会主義の堅持と発展を共通思想の政治的基盤をうち固める上での主軸に据え、「二つの百周年」の奮闘目標の実現のために力を尽くすことを活動の基調とし、思想・政治による先導効果の強化と広く共通認識をはかることを中心となる活動の一つとするとともに、団結と民主という二つのメインテーマを堅持し、政治協商、民主的監督、国政参議の水準を高め、共通認識をいっそうはかり、党中央の定めた政策・行動計画および人民政治協商関連活動への要請を徹底していき、国内外の中国人たちの英知と力を結集させるという政治的責任をしっかりと担い、小康社会の全面的完成の決戦に勝利した上で社会主義現代化強国の全面的建設に向けて貢献しなければならない。

 ●「全国民族団結・進歩表彰大会におけるスピーチ」は2019年9月27日、総書記が行ったスピーチの要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが党は中国の特色ある民族問題の解決に向けた正しい道を歩み出し、民族の平等を立国の根本的原則とし、各民族が歴史上初めて平等な政治権利を真に獲得し、ともに国家の主人公となった。中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するには、中華民族の共同体意識の強化を主軸に据え、民族の団結・進歩を基礎的事業としてしっかりと取り組み、中華民族がより強い包摂性とより大きな結集力を持った運命共同体となるよう後押ししていかなければならない。

 ●「中国の特色ある社会主義制度を堅持し充実させ、国家統治体系と統治能力の現代化を推進する」は2019年10月31日、総書記が中国共産党19期4中全会第2回全体会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 常に最も広範な人民の根本的利益を代表し、人民主体を保証し、人民の共通意志を反映させ、人民の合法的な権利と権益を守ることは、わが国の国家制度と国家統治体系の本質的属性であり、わが国の国家制度と国家統治体系が効果的に機能し、活力に満ちていることの根拠でもある。われわれは、長期にわたる実践の検証を受けてきたわが国の国家制度と国家統治体系をしっかりと堅持し、うち固めるとともに、それをいっそう充実させ、発展させて、絶えずわが国の制度的優位性を国家統治のエネルギーによりよく変えていかなければならない。

 ●「人民民主は一種の全過程民主である」は、総書記が2019年11月2日、2021年7月1日にそれぞれ行った二回の講話から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民民主は一種の全過程民主であり、すべての重要な立法・政策決定はいずれも手続きに従い、民主的検討を経て、科学的な政策決定と民主的な政策決定により生まれたものである。われわれは新たな征途において、人民にしっかりと依拠して歴史をつくり、人民を中心とする発展思想を実践し、全過程の人民民主を発展させて、人々の全面的発展と全人民の共同富裕を促す中で一層顕著かつ実質的な進展を図らなければならない。

 ●「人民至上を堅持する」は2020年5月22日、総書記が第13期全国人民代表大会第3回会議で内モンゴル自治区代表団の審議に参加した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国共産党の基盤は人民にあり、血脈は人民にある。わが党が人民を団結させ率いて革命、建設、改革を進めてきたが、その根本的な目的は人民が幸せな生活を送ることができるようにすることにほかならない。それゆえ、厳しい試練や圧力に直面したとしても、大きな犠牲や代償を払ったとしても、この点はいささかも揺るぐことなく、終始貫いていく。人民至上を堅持し、人民にしっかりと依拠し、絶えず人民に幸福をもたらし、人民の中に根ざしたものでなければならない。人民を中心とする発展思想を堅持するためには、すべての政策決定や実施計画、そして実際の活動に確実にこの思想を反映させなければならない。

 ●「国は人民であり、人民は国である」は2021年2月20日、総書記が党史学習・教育動員大会で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民のために結党し、人民の支持を得て党勢を拡大し、終始人民とともにあり、人民の利益のために奮闘することは、わが党が自党を結成・拡大・強化する上での根本的な出発点であり帰結点でもある。全党が党の性質・主旨を深く認識するよう教育し導いて、すべては人民のために、すべては人民に依拠するということを堅持し、終始人民のことを最優先にし、人民の素晴らしい生活への願いを奮闘目標とし、改革・発展の成果をより多くより公平に人民全体に行き渡らせ、十四億の中国人民を結集させて中華民族の偉大な復興を促す強大な力となるようにする。

 ●「中国人民を団結させ率いて、数千年の中華民族史上最も壮大な叙事詩を書き綴った」は2021年7月1日、総書記が中国共産党創立100周年祝賀大会で行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国共産党は創立当初から、中国人民の幸福と中華民族の復興をわれわれの初心・使命と定めてきた。この100年、中国共産党は中国人民を団結させ率いて、常に奮闘し、一切を犠牲にし、すべてを創造してきた。これらはつまるところ、一つの目標――中華民族の偉大な復興を実現する――ことである。中華民族の偉大な復興を実現するために、中国共産党は中国人民を団結させ率いて、新民主主義革命の偉大な成果、社会主義革命と建設の偉大な成果、改革開放と社会主義現代化建設の偉大な成果、新時代における中国の特色ある社会主義の偉大な成果を上げ、中華民族の偉大な復興の実現は不可逆的な歴史の流れとなっている。この100年で切り開いた偉大な道、創造した偉大な事業、収めた偉大な成功は、必ずや中華民族の発展史、そして人類文明の発展史に残るであろう。

 ●「中華民族共同体意識の強化を主軸とし、新時代における党の民族関連活動の質の高い発展を促す」は2021年8月27日、総書記が中央民族関連活動会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが党の民族関連活動の強化・改善に関する重要思想を的確に把握し、全面的に貫徹し、中華民族共同体意識の強化を主軸として、揺るぐことなく中国の特色ある民族問題解決の正しい道を歩み、中華民族共通の心の拠り所を築き、民族間の往来・交流・融和を促進し、民族地区の現代化建設のペースをさらに速めるとともに、民族関連活動の管理の法治化水準を向上させ、民族分野のリスク要因を防止・解消し、新時代における党の民族関連活動の質の高い発展を推進していく必要がある。また、中華民族共同体意識の強化が新時代における党の民族関連活動の「カナメ」であるため、すべての活動はそこにピントを合わせなければならないと強調した。

 ●「人民代表大会制度を堅持し改善し、全過程の人民民主を不断に発展させていく」は2021年10月13日、総書記が人民代表大会の活動に関する中央会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人民代表大会制度は国家のすべての権力が人民に属することを堅持し、人民主体を最大限に保障し、党の指導と人民主体と法に基づく国家統治を有機的に結びつけて、国家統治が治乱興亡のサイクルから抜け出すことを効果的に保証しているため、わが国の全過程の人民民主を実現する上での重要な制度的受け皿である。わが国の全過程の人民民主は完備した制度的手続きであるばかりでなく、参画・実践の場が十分に設けられており、過程としての民主と成果としての民主、手続き上の民主と実質的民主、直接民主と間接民主、人民民主と国家意志との統一を実現した、全過程・全方位・全カバーの民主であり、最も広範で最も本質的かつ最も実効性のある社会主義民主である。われわれは引き続き全過程の人民民主の整備を推し進め、人民主体を党の国政運営の具体的で現実的な政策措置に反映させ、党と国家機関の各方面、各段階の活動に反映させ、人民の素晴らしい生活への願いをかなえる取り組みに反映させなければならない。