『全面的な法に基づく国家統治の堅持を論じる』

出版社: 中央文献出版社

出版年日: 2020年12月

出版にあたって

 全面的な法に基づく国家統治は中国の特色ある社会主義の本質的要請と重要的保障である。中国共産党第18回全国代表大会以来、習近平氏を核心とする党中央は、大局的・戦略的観点から全面的な法に基づく国家統治に関する一連の重大な決定と配置を行い、中国の社会主義法治建設に歴史的変革をもたらし、歴史的な成果を収め、全面的な法に基づく国家統治の実践が重大な進展を遂げた。習近平氏は全面的な法に基づく国家統治をめぐり一連の重要な論述を発表し、新時代においてなぜ全面的な法に基づく国家統治を実施するか、どのように全面的な法に基づく国家統治を実施するかという一連の重要な問題を深く答え、習近平法治思想を形成し、全面的な法に基づく国家統治の指導思想、発展道路、活動の計画、重要な任務を明確にし、全面的な法に基づく国家統治の根本的な準拠と行動指針であり、長期間にわたって堅持し、着実に発展させる必要がある。

 習近平法治思想はマルクス主義の中国化した最新の成果であり、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」の重要部分であり、社会主義法治国家を建設し、国家ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を推進し、小康社会の全面的完成の決勝段階での偉大な勝利を勝ち取り、社会主義現代化国家の全面的建設に向けた新たな征途につき、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するうえで、非常に重要な指導的意義を持つ。広範な幹部と大衆が習近平法治思想を深く学習・貫徹するために、われわれは習近平氏の関連論述を編集して全面的な法に基づく国家統治の堅持を論じる』という本にした。

 同書は中国共産党第18回全国代表大会以来、全面的な法に基づく国家統治に関する習近平氏の重要文書54編を収録しており、初公開のものも含まれる。

 中共中央党史・文献研究院

 二〇二〇年十二月

主要文章の概要

 中共中央党史・文献研究院が編集した、習近平総書記著『全面的な法に基づく国家統治の堅持を論じる』には、総書記による2012年12月4日から2020年11月16日までの全面的な法に基づく国家統治を堅持することに関する重要原稿54篇が収録されている。以下はこの特別テーマ文集にある主要文章の概要である。

 ●「科学的理論で全面的な法に基づく国家統治のさまざまな活動を指導する」は2020年11月16日、習近平総書記が全面的な法に基づく国家統治に関する中央工作会議においての演説の要旨である。演説は習近平総書記の法治思想を詳しく述べた。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治の推進は国家統治の激しい変革であり、科学的理論を指針としなければならない。全面的な法に基づく国家統治に対する党の指導を堅持する。人民を中心とする理念を堅持する。中国の特色ある社会主義法治の道を堅持する。法に基づく国家統治と法に基づく執政を堅持する。法治の軌道上で国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化の推進を堅持する。中国の特色ある社会主義の法治体系の構築を堅持する。法に基づく国家統治、法に基づく執政、法に基づく行政の並行推進を堅持し、法治国家・法治政府・法治社会の三位一体建設を堅持する。科学的な立法、厳格な法執行、公正な司法、全人民による法律の遵守を全面的に推し進める。国内法治と渉外法治を統一的に推進することを堅持する。徳と才能を備えた有能な法治人材の育成を堅持する。指導幹部という「鍵となる少数」を掌握する必要がある。

 ●「北京各界現行憲法公布・施行30周年記念大会での演説」は2012年12月4日、習近平総書記の演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 憲法は国の基本法、安定統治の総規則である。憲法の全面的な実施徹底は、社会主義法治国家を建設する上で最も重要な任務と基本的取り組みである。憲法の全面的な実施徹底をより新しいレベルに引き上げなければならない。正しい政治方向性を堅持し、中国の特色ある社会主義の政治発展の道を揺るぎなく歩む。法に基づいた国家統治の基本戦略を実行し、社会主義法治国家の建設を加速する。人民の主体的な地位を堅持し、公民が権利を享受し、義務を履行することを確実に確保する。党の指導を堅持し、党の指導方式と執政方式の改善をより重視しなければならない。

 ●「人民大衆がすべての司法案件で公平と正義を感じられるよう努める」は2013年1月3日、習近平総書記が新しい情勢の下で政法活動をうまく行うために出した指示である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 政法機関は、人々が安居楽業を保障し、経済社会の発展に貢献し、国家の安全と社会の安定を維持する上で、非常に重要な役割を担っている。法に基づく国家統治の基本戦略を堅持し、党と国の大局を重んじ、最も広大な人民の根本利益を念頭に置き、中国の特色ある社会主義事業の建設者と擁護者の職責と使命をしっかりと担う必要がある。公共安全、公正な司法、権益保障に対する国民の新たな期待に応え、「平安中国」、「法治中国」や優秀な組織の建設を全力で推進しなければならない。

 ●「科学的立法、厳格な法執行、公正な司法、全民の法遵守を全面的に推進する」は2013年2月23日、習近平総書記が中国共産党第18期中央政治局第4回集団学習会を主宰した際に述べた演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治を推進するには、科学的立法、厳格な法執行、公正な司法、全民の法遵守を堅持し、法に基づく国家統治、法に基づく執政、法に基づく行政の共同推進を堅持し、法治国家、法治政府、法治社会の一体的建設を堅持し、法に基づく国家統治の新局面を絶えず切り開く。

 ●「社会主義市場経済は信用経済、法治経済である」は2013年4月から2020年7月にかけての習近平総書記の原稿から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 社会主義市場経済の方向性を揺るぎなく堅持し、法治建設を引き続き強化し、市場化、法治化、国際化ビジネス環境を構築する。各種所有制企業の財産権と自主経営権を法に基づき平等に保護し、各種市場主体が公平に競争する法治環境を整備しなければならない。企業家の合法的権益を法に基づき保護し、財産権と知的財産権の保護を強化しなければならない。各種企業は遵法と誠実さを安定の基盤とし、法に基づく経営、法に基づく企業管理、法に基づく権利保護をしなければならない。

 ●「法治の下で改革を推進し、改革の中で法治を完備する」は2013年11月から2019年7月にかけての習近平総書記の原稿から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 改革と法治は「鳥の両翼、車の両輪」のように、互いに補い合い、添い遂げるものである。科学的な立法は、改革と法治の関係を処理する中で重要な役割を果たしている。改革の政策決定と立法の政策決定を統一し、相互に関連づけを堅持し、立法が主導的に改革のニーズに適応し、改革を牽引・推進・規範化・保障するという役割を積極的に発揮し、重大な改革が法に基づいて行われ、改革と法治が同時に推進され、改革の浸透力が強化されるようにしなければならない。法治思考と法治方式で改革推進を高度に重視し、改革と法治の統一と調和を堅持する必要がある。

 ●「党の指導と社会主義法治とは一致する」は2014年1月7日に行われた中央政法工作会議で習近平総書記の演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党の指導、人民が国家の主人、法に基づく国家統治の有機的統一を堅持する中では、最も根本的なことは党の指導である。党の指導を堅持するのは、人民が国家の主人であることを支持し、法に基づく国家統治という党が人民を率いて国を治めるための基本戦略を実行することである。党の指導と社会主義法治とは一致し、党の指導を堅持してこそ、人民が国家の主人であることを十分に実現でき、国家と社会生活の制度化と法治化が正しく進めることができる。理論的にも実践的にも、以下の二つの重大な課題に取り組む必要がある。第一に、党の政策と国家法律の関係を正しく処理することである。第二に、党の指導を堅持することと、司法が法に基づき独立かつ公平にその権限を行使することの関係を正しく処理することである。

 ●「厳格な法執行、公正な司法」は2014年1月7日、習近平総書記が中央政法工作会議において行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 政法機関は党と人民から託された輝かしい使命を果たすには、厳格な法執行、公正な司法が必要である。法執行と司法に信頼性があるかどうかは、大きく二つのポイントに分けられる。一つは公正かどうか、もう一つは清廉かどうかである。職業的良心の取り組み、法治の堅守、制度上の制約、公開的操作などの段階において、粘り強く努力しなければならない。

 ●「確固たる信念を持ち、人民のため法律を執行し、果敢に責任を負い、清潔で正直の政法チームを作るように努力する」は2014年1月7日、習近平総書記が中央政法工作会議において行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 法に基づく国家統治の基本戦略を実行し、社会主義法治国家を建設するには、優秀なチームを作らなければならない。政治、業務、責任感、規律と態度を完璧にこなすという要件に従い、確固たる信念を持ち、人民のため法律を執行し、果敢に責任を負い、清潔で正直の政法チームを作るように努力する。

 ●「公正で効率的で権威ある社会主義司法制度の建設を加速する」は2014年1月7日、習近平総書記が中央政法工作会議において行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 ある国がどのような司法制度を実施するかは、最終的にはその国の国情によって決まる。わが国の司法制度は、おおむねわが国の国情と発展の要求に適応しているが、同時に改革の過程で絶えず発展・改善させる必要がある。司法制度の改革を深化させることは、正しい政治方向性を堅持しなければならない。司法の信頼性を高め、司法は社会正義を守る最後の砦としての役割を真に発揮できるようにする。職能の特性に応じた司法関係者の管理制度を確立し、司法関係者の分類・管理制度を充実させることが必要である。

 ●「全国人民代表大会成立60周年祝賀大会における演説」は2014年9月5日に行われた習近平総書記の演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴は中国共産党の指導である。中国では、社会主義民主政治を発展させ、人民主体を保証し、国家の政治生活が活力に満ち溢れ、安定と秩序も備わっていることを保証するための要は、党の指導、人民主体、法に基づく国家統治の有機的統一を堅持することである。人民代表大会制度は、党の指導、人民主体、法に基づく国家統治の有機的統一を堅持するための根本的政治制度設計である。社会主義民主政治の制度化・規範化・手続き化を絶えず推し進め、中国の特色ある社会主義政治制度の優位性がよりよく発揮させ、党と国家の繁栄・発展と長期的安定に充実した制度の保障を提供する必要がある。中国の特色ある社会主義制度への自信を固めるには、まず中国の特色ある社会主義政治制度への自信を固めなければならないことを強調した。社会主義民主政治発展の鍵は、われわれの強みと特徴を増加・拡大することであり、削弱・縮小することではない。

 ●「「法に基づく国家統治の全面的推進における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」についての説明」は2014年10月20日、中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議において習近平総書記が行った説明である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治を推進することは、党と国の事業発展が直面している一連の重大な問題を解決し、社会の活力を解放・強化し、社会の公平と正義を推進し、社会の調和と安定を維持し、党と国家の長期的安定を確保するための根本的な要求である。わが国の経済社会の持続的かつ健全な発展を促進し、中国の特色ある社会主義事業の発展のために大いなる前途を絶えず探求するためには、社会主義法治国家の建設を全面的に推進し、これらの問題に対して、法治面から制度的な解決策を提供しなければならない。全面的な法に基づく国家統治を推進するという大事がうまくいくかどうかの鍵は方向性が正しいかどうか、政治的保証が強いかどうかにあり、具体的には、党の指導を堅持し、中国の特色ある社会主義制度を堅持し、中国の特色ある社会主義法治理論を貫徹することにある。

 ●「社会主義法治国家の建設を加速する」は2014年10月23日、習近平総書記が中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議第2回全体会議において行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治を推進するには、正しい道を歩まなければならない。全体会議は中国の特色ある社会主義法治の道を堅持・発展させる全体を貫く政治路線を決定した。中国の特色ある社会主義法治の道を歩むことは重大な課題であり、深く探求しなければならないことがたくさんあるが、中国共産党の指導を堅持し、人民の主体的地位を堅持し、法の前の平等を堅持し、法に基づく国家統治と徳による国家統治の結合を堅持し、中国の実情に立脚することを堅持するという基本の原則を長期的に堅持しなければならない。

 ●「「一国二制度」の実践を法に基づき保障する」は2014年11月から2019年12月にかけての習近平総書記の原稿から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 香港とオは祖国に返還された後、国家統治体制に組み込まれた。香港とマカオの長期的な繁栄と安定を維持するには、「一国二制度」、「香港人による香港統治」、「マカオ人によるマカオ統治」、「高度の自治」という基本方針を全面的かつ正確に貫徹し、基本法に厳格に従って物事を進め、基本法の実施に関連する制度とメカニズムを充実させなければならない。特別行政区の行政、立法、司法の各機関は、特別行政区に対する中央政府の全面管理権を擁護することと、特別行政区の高度な自治権を保障することを有機的に結合させ、「一国」原則の最低ラインを守り、中央政府の権力と基本法の権威を自覚的に維持する。

 ●「法に基づく国家統治を堅持するには、まず憲法に基づく国家統治を堅持しなければならず、法に基づく執政を堅持するには、まず憲法に基づく執政を堅持しなければならない」は2014年12月から2018年12月にかけての習近平総書記の原稿から抜粋した関連内容である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 憲法は最も高い法的地位、法的権威、法的効力を持ち、改革開放と社会主義現代化建設に根本的な保証を提供する。科学的・効果的・体系的・完全な制度体系で憲法の実施を保障し、憲法に対する監督を強化し、憲法の尊厳を守り、憲法の実施を新たな水準に引き上げなければならない。憲法の宣伝・教育は、全面的な法に基づく国家統治を推進する中で重要な任務である。憲法の精神を発揚し、その権威を確立することによって、すべての国民が社会主義法治の忠実な支持者、自覚的な追随者、確固たる擁護者となるようにしなければならない。

 ●「国防・軍隊建設の法治化水準を高める」は2014年12月26日、中央軍事委員会拡大会議における習近平総書記の演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 法に基づく軍隊統治と厳格な軍隊統治はわが党の軍の建設・統治の基本方策である。法に基づく軍隊統治と厳格な軍隊統治を深く推進することは法に基づく国家統治の全面的推進の総合的な政策措置における重要な構成要素であり、強軍の目標を達成するための必然的な要件である。全軍の法治信奉と法治思考を強化し、法治の要請に従って軍統治方式を転換し、軍事法治建設をしっかりと実行しなければならない。

 ●「各級の指導幹部は法を尊び、法を学び、法を守り、法を用いる模範となる」は2015年2月2日、習近平総書記が省部級の主要指導幹部が党の第18期中央委員会第4回全体会議の法に基づく国家統治の全面的推進の精神を学習・貫徹するセミナーで行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 各級の指導幹部は、党の執政権と国家の立法権、行政権、司法権を具体的に行使する者として、法に基づく国家統治の全面的推進の方向、道筋、進展を大きく左右する。党が立法を主導し、法執行を確保し、司法を支持し、率先して法を遵守することは主に各級の指導幹部の具体的な行動と仕事を通して反映して実現される。指導幹部は法を尊ぶ模範となり、率先して法治を尊び、法を畏れるべきである。法を学ぶ模範となり、率先して法を理解・習得する。法を守る模範となり、率先して法を順守し、法治を守る。法を用いる模範となり、率先して法治を厳格に実行し、法に従って行動する。

 ●「法に基づく国家統治の全面的推進を「四つの全面」の戦略的配置の中において把握する」は2015年2月2日、習近平総書記が省部級の主要指導幹部が党の第18期中央委員会第4回全体会議の法に基づく国家統治の全面的推進の精神を学習・貫徹するセミナーで行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 小康社会の全面的完成は戦略目標であり、改革の全面的深化と全面的な法に基づく国家統治、全面的で厳格な党内統治は三大戦略措置である。全面的な法に基づく国家統治がなければ、われわれは国を治められず、政治をうまく治めることができず、われわれの戦略配置ははずれてしまう。全面的な法に基づく国家統治と他の三つの「全面」との関係を深く理解し、「四つの全面」が互いに補完し合い、互いに促進し合い、互いに利益を得ることを実現するよう努力しなければならない。

 ●「司法体制改革を深化させる」は2015年3月24日、習近平総書記が中国共産党第18期中央政治局第21回集団学習会を主宰した際の演説の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 司法体制改革の深化、公正で効率的で権威ある社会主義司法制度を構築することは、国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化を推進する重要な措置である。司法体制改革の正しい政治方向を堅持し、司法の公信力を高めることを根本的基準とし、国情に合致することと司法法則に従うこととの結合を堅持し、問題志向を堅持し、困難を果敢に克服し、司法体制改革を揺るぎなく深化させ、社会の公平や正義を絶えず促進していく。

 ●「権力の制約と監督を強化し、反腐敗・清廉政治提唱の法規・制度の整備を推進する」は2015年6月26日、中国共産党第18期中央政治局第24回集団学習会において習近平総書記が行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 悪い気風や腐敗が助長・蔓延する土壌を取り除くために、根本的な方法としては法規制度に頼らなければならない。反腐敗・清廉政治提唱の法規・制度を整備する鍵は権力を制約・監督することである。全体的思考と全体的計画、系統的で整ったこととかみ合うこと、実用的で効果的と簡単で行ないやすさ、責任の明確化と奨励処罰の厳格化を堅持する必要がある。

 ●「法に基づく国家統治と徳による国家統治の結合を堅持する」は2016年12月9日、中国共産党第18期中央政治局第37回集団学習会において習近平総書記が行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国の特色ある社会主義法治の道の鮮明な特徴の一つは、法に基づく国家統治と徳による国家統治の結合を堅持し、法治と徳治を両手でつかみ、両手がどちらも硬くなければならないことを強調した。法治を支える道徳の役割を強化し、道徳要求を法治建設の中に貫徹し、法治という手段を使って道徳分野で目立った問題を解決し、全国民の法治意識と道徳的価値の自覚を高め、法に基づく国家統治と徳による国家統治における指導幹部の重要な役割を発揮させなければならない。

 ●「法に基づく国家統治、制度に基づく党内統治と規律に基づく党内統治の一体化建設の促進を堅持する」は2016年12月23日、習近平総書記が党内規定・制度構築の強化について出した指示である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党内規定・制度整備の強化は全面的に厳格な党内統治の長期的、根本的な戦略である。改革革新の精神で党建設面の法規制度の欠陥の改善を加速し、建党百周年時により整った党内法規制度体系を形成することを目指し、党の執政能力と指導水準の向上、国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化の推進、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現のために有力な制度的保障を提供する必要がある。

 ●「法治人材の育成をしっかりと行う」は2017年5月3日、中国政法大学で行われた座談会における習近平総書記の講演の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治は大規模な組織的プロジェクトであり、法治人材育成はその重要な構成部分である。大学は法治人材育成の第一の場であり、社会主義法治理論を貫徹する重要な陣地であり、法治理論の革新を推進する重要な力でもある。中国の特色と国際的視野を持つ学術体系と言語体系を構築し、中国の法学の学科体系と教材体系を早急に確立しなければならない。法学教育は法学の知識教育と実践教育との関係をうまく処理し、立徳樹人(道徳重視の人材育成)ことを堅持する必要がある。法学教育は指導幹部向けの教育を重視しなければならない。

 ●「党の指導、人民主体、法に基づく国家統治の有機的統一を堅持する」は2017年10月18日、中国共産党第19回全国代表大会における習近平総書記の報告の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党の指導は人民主体と法に基づく国家統治の根本的保証であり、人民主体は社会主義民主政治の本質的特徴であり、法に基づく国家統治は党が人民を指導して国を治める基本的方式であり、この三者は中国における社会主義民主政治の偉大な実践に統一されている。

 ●「法に基づく国家統治の実践を深化させる」は2017年10月18日、中国共産党第19回全国代表大会における習近平総書記の報告の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全面的な法に基づく国家統治は国家統治における深刻な革命であり、科学的な立法、厳格な法執行、公正な司法、全人民による法律の遵守を堅持しなければならない。憲法の実施と監督を強化し、科学的な立法、民主的な立法と法律に基づく立法を推進し、法治政府を建設し、司法制度の総合的な改革を深化させ、全国民への法律普及を強化する必要がある。各級の党組織と全党員は法律を尊重し、法律を学び、法律を用いることを率先して行うべきである。

 ●「憲法改正の重要な意義を深く認識する」は2018年1月19日、中国共産党第19期中央委員会第2回全体会議における習近平総書記の演説の一部である。演説では、憲法を全面的に貫徹実施することが全面的な法に基づく国家統治と社会主義法治国家の建設のための最も重要な任務と基本任務であると強調した。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党中央は、わが国の憲法をよりよく民意を反映させ、中国の特色ある社会主義制度の優位性をよりよく発揮され、中国共産党の長期統治能力をよりよく適応・向上させ、全面的な法に基づく国家統治を推進し、国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化の推進という要求を推進し、新時代の中国の特色ある社会主義の堅持と発展に憲法保障を提供するとともに、憲法の継続性、安定性、権威性を維持した上で、憲法を適切に改正することを決定した。

 ●「憲法を確実に尊重し、憲法を厳格に実施する」は2018年1月19日、中国共産党第19期中央委員会第2回全体会議における習近平総書記の演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 憲法を全面的に実施することは全面的な法に基づく国家統治の最も重要な任務である。党中央の指導の下で、完全な法律規範体系と効率的な法執行体系、厳格な法治監督体系、強力な法治保障体系の形成を加速させ、完全な党内規定・制度体系を整え、科学的かつ効果的、系統的で整った制度体系によって憲法の実施を確保する。全党と全国は憲法を活動の基本的基準として、憲法の尊厳を守り、憲法の実施を確保し、社会の公平と正義を守り、国家政治と社会生活の法治化水準を継続的に高めなければならない。

 ●「わが国の憲法と全面的な法に基づく国家統治の推進について」は2018年2月24日、習近平総書記が中国共産党第19期中央政治局第4回集団学習会を主宰した際に行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党が憲法建設を主導してきた実践経験から、憲法が時代の歩調に合わせて、常に時代とともに進歩しなければならないことが明らかになった。憲法は党の主張と人民の意志の高度な統一を実現し、顕著な優勢、堅固な土台、強大な生命力を備える。新時代に全面的な法に基づく国家統治を推進するには、憲法の尊厳と権威を断固として守り、憲法の実施と監督を強化する必要がある。憲法の学習・宣伝・教育を強化し、憲法精神を発揚し、憲法知識を普及させて、憲法の実施と監督の強化のために望ましい雰囲気を作り出す必要がある。

 ●「全面的な法に基づく国家統治に関する中央委員会第1回会議における演説」は2018年8月24日、習近平総書記の演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党中央が全面的な法に基づく国家統治に関する中央委員会を設置することを決定したことは、わが党の歴史において初めてこのような機関を設立したことであり、党の全面的な法に基づく国家統治に対する集中的かつ統一的指導を強化し、全面的な法に基づく国家統治の活動を統一的に推進することを目指している。党が立法を主導し、法執行を保証し、司法を支持し、率先して法を遵守することを堅持し、党が全面的な法に基づく国家統治を主導する制度と活動メカニズムを完備し、法的手続きを通じて党の主張を国家の意志にし、法律を制定し、法律によって党の政策の有効な実施を保障し、全面的な法に基づく国家統治の正しい方向性を確保しなければならない。法治中国建設計画の策定を検討し、憲法を全面的に貫徹実施し、科学的な立法の任務を推進し、法治政府の建設を強化し、司法体制の改革を深化させ、法治社会の建設を推進し、法治活動チームの建設と法治人材の育成を強化しなければならない。

 ●「新しい出発点から国家監察体制の改革を深化させる」は2018年12月13日、習近平総書記が中国共産党第19期中央政治局第11回集団学習会を主宰した際に行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 国家監察体制の改革深化は党と国家の監督体系を健全化する重要な配置であり、国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化を推し進める重要な改革である。紀律執行と法執行の貫徹を促進し、司法を効果的に結びつけ、腐敗防止活動の法治化・規範化を推進することが必要である。公権力と公職者に対する全面的かつ有効的な監督を強化することを力点とし、公権力行使の法治化を推進するべきである。目標志向・問題志向を堅持し、紀律検査監察制度の改革を引き続き推し進めなければならない。紀律検査監察機関は、「鉄を打つには、それ自体が硬くなければならない」という政治的要求を念頭に置き、国家監察権を規範化し、正しく行使しなければならない。

 ●「政治安全、社会の安定、人民の安寧を守る」は2019年1月15日、中央政法工作会議における習近平総書記の演説の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 新時代の中国の特色ある社会主義外交思想を指導として堅持し、政法活動に対する党の絶対的な指導を堅持し、人民を中心とする発展思想を堅持し、社会統治の現代化推進を加速し、政法分野の改革の全面的深化を推進し、政法チームの革命化、正規化、専門化、職業化建設の推進を加速し、職責を忠実に全うし、責任を果敢に担い、改革・革新に鋭意取り組み、国家の政治的安全を守り、社会の大局的安定を確保し、社会の公平と正義を促進し、人民の安居楽業を保障するという職責・任務をしっかりと履行し、政法事業の発展の新たな一章を次々と書き上げていく。

 ●「党と国家の諸活動をしっかり行うには良好な法治環境を作り出す」は2019年2月25日、全面的な法に基づく国家統治に関する中央委員会第2回会議における習近平総書記の演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 改革開放が深化すればするほど法治を強調し、発展環境が複雑であればあるほど法治を強調しなければならない。法治の建設計画を整え、法治の根本を強化し、期待を安定させ、将来に役立つという保障の役割をさらに発揮する必要がある。立法作業の質と効率を高め、質の高い立法によって経済の持続可能で健全な発展を保障・促進しなければならない。改革と発展を保障し、これに貢献し、法に基づいて各市場主体の財産権と合法的権益を平等に保障しなければならない。調和・安定の社会環境を作り、法に基づいて各種のリスクや紛争を解決し、法治の枠組みの中で各市場主体の利害関係を調整することが必要である。渉外法治工作の戦略的配置を加速し、わが国の政治・経済の安全を維持し、わが国の企業と公民の合法的権益を保護しなければならない。

 ●「公正かつ文明的な法執行を厳格に規範化することについて」は2019年5月7日、全国公安工作会議での習近平総書記の演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 公正と正義は法執行と司法の生命線である。肝心な部分をつかんで、法執行権の運用メカニズムと管理監督制約体系を完備させ、人民大衆が各司法事件において公平と正義を感じるように努力しなければならない。厳格で規範化された公正かつ文明的な法執行一体化となり、正確に把握し、全面的に貫徹しなければならず、一方に気を取られて他方がおろそかになったり、互いに取って代わったりすることができない。正しい法治理念を確立し、犯罪の取締りと人権の保障、効率の追求と公正の実現、法執行の目的と法執行の形式を有機的に統一し、法を根拠とし、事実や道理を用いて人を説得し、感情をもって人を動かすことを堅持し、最高の法的効果、政治効果、社会効果の実現に努めなければならない。

 ●「中国の特色ある社会主義国家制度と法律制度を堅持・完備・発展させる」は2019年9月24日、習近平総書記が中国共産党第19期中央政治局第17回集団学習会を主宰した際に行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国の特色ある社会主義国家制度と法律制度は長期にわたる実践的探求の中で形成されたものであり、人類の制度文明の歴史における偉大な創造物であり、実践で証明された科学制度体系であり、顕著な優位性を持っている。ある社会制度が科学的かどうか、先進的かどうかは、主に国情に合っているかどうか、効果的に機能しているかどうか、人民に支持されているかどうかで測られる。中国の特色ある社会主義国家制度と法律制度をしっかりと堅持・実施するだけでなく、常に完備・発展させる必要もある。制度の執行力を強化し、その監督を強化し、わが国の制度的優位性を効果的にガバナンスの有効性に転換することが必要である。

 ●「法に基づく予防抑制、法に基づく管理能力を全面的に高める」は2020年2月5日、習近平総書記が全面的な法に基づく国家統治に関する中央委員会第3回会議で行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 疫病予防抑制が最も困難な時期になればなるほど、法に基づく予防抑制を堅持し、法治の軌道上で各種の予防抑制対策を総合的に推進し、法に基づく予防抑制と法に基づく管理能力を全面的に高め、疫病予防抑制活動の順調な展開を保障し、社会の大局的安定を確保しなければならない。常に人民の生命の安全と身体の健康を第一に考え、立法、法執行、司法、遵法の各側面から努力し、法に基づく予防抑制、科学的な予防抑制、共同予防・共同抑制を確実に推進しなければならない。各級の党委員会と政府は全面的に法に基づいて職責を履行し、法治思考と法治方式を活用して疫病の予防抑制活動を展開することを堅持し、重大な緊急事態の処理における法治政府の建設を推進し、法に基づいた執政、法に基づいた行政水準を高める必要がある。

 ●「全面的な法に基づく国家統治を推進し、国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化において法治の積極的役割を発揮させる」は2020年2月5日に開催された全面的な法に基づく国家統治に関する中央委員会第3回会議における習近平総書記の演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国の特色ある社会主義の実践が一歩前進するにつれて、法治建設は一歩前進しなければならない。わが国の社会主義法治は党の治国理政における理論成果と実践経験を凝縮したものであり、制度的統治の最も基本的で安定的かつ信頼できる保障である。党の法に基づく国家統治と法に基づく執政能力を高め、法治によって人民が主人となることを保障し、中国の特色ある社会主義法治体系を堅持・改善し、法治の改革発展の安定したことに対する牽引・規範・保障の役割をよりよく発揮し、優秀な法治活動チームを作らなければならない。トップレベルの設計と法治実践の結合を堅持し、法治が国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化を促進する能力を高める。

 ●「民法典の公布・施行の重要な意義を十分に認識し、法に基づいて人民の合法的権益をよりよく保護する」は2020年5月29日、習近平総書記が中国共産党第19期中央政治局第20回集団学習会を主宰した際に行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 民法典は根本を強化し、期待を安定させ、将来に役立つ基本法律であり、全面的な法に基づく国家統治の推進、社会主義法治国家の建設の加速に、社会主義市場経済の発展、社会主義基本経済制度の強化に、また人民を中心とした発展思想の堅持、法に基づく人民権益の維持、わが国の人権事業の発展の推進に国家のガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化の推進に、いずれも重要な意義を持っている。民法典をよく施行するには、民法典の重要な意義の宣伝教育を強化し、民法典の法執行と司法活動を強化し、民法の普及活動を強化し、わが国の民事法律制度の理論研究を強化することが必要である。

  (出典:「人民日報」2020年12月17日2面)