『中国共産党の宣伝・思想活動を論じる』

出版社: 中央文献出版社

出版年日: 2020年11月

出版にあたって

 中国共産党第18回全国代表大会以来、習近平氏を核心とする党中央は宣伝・思想活動を全局の活動における重要位置に据え、一連の重大な決定をし、一連の重大な措置を実施し、中国共産党の理論革新を全面的に推し進め、中国の特色ある社会主義と中国の夢を深く人心に浸透させ、社会主義の核心的価値観と中華の優れた伝統文化を幅広く発揚し、主流思想・世論を揺るぎないものにし、強化し続け、文化的自信をはっきりと示し、国家の文化のソフトパワーと中華文化の影響力を大幅に高め、全党・全社会の思想面の団結と統一を一層揺るぎないものにしてきた。習近平氏が中国共産党の宣伝・思想活動について打ち出した一連の新たな思想・観点・論断は、新時代の党の宣伝・思想活動の達成における根本的準拠を与えた。広範な幹部と大衆が党の宣伝・思想活動に関する習近平氏の重要な論述を深く学習するために、われわれは習近平氏の関連論述を編集して中国共産党の宣伝・思想活動を論じる』という本にした。

 同書は中国共産党第18回全国代表大会以来、中国共産党の宣伝・思想活動に関する習近平氏の重要文書52編を収録しており、初公開のものも含まれる。

 中共中央党史・文献研究院

 二〇二〇年十月

主要文章の概要

 中共中央党史・文献研究院が編集した、習近平総書記著『党の宣伝・思想教育活動について』には、総書記による2013年8月19日から2020年2月23日までの党の宣伝・思想教育活動に関する重要原稿52篇が収録されている。以下はこの特別テーマ文集にある主要文章の概要である。

 「新時代の中国の特色ある社会主義思想とその基本方針」は2017年10月18日、総書記が中国共産党第19期全国代表大会で行った報告の一部である。

 報告は理論と実践を結びつけた上で、新時代においてどのような中国の特色ある社会主義を堅持し発展させるのか、いかにしてそれを堅持し発展させるのか、といった重大な時代の問いに系統的に答え、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想の主要内容を概括するとともに、新時代において中国の特色ある社会主義を堅持し発展させる基本方針をうち出し、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想の歴史的地位を確立した。さらに、全党が新時代の中国の特色ある社会主義思想の精髄と豊富な内容を深く理解し、すべての活動で全面的かつ的確に貫いていかなければならないと強調した。

 「文化への自信を固め、社会主義文化を繁栄・興隆させる」は2017年10月18日、総書記が中国共産党第19期全国代表大会で行った報告の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国の特色ある社会主義文化は、中華民族の五千年以上の文明史によって育まれた中華の優れた伝統文化を源泉とし、党が人民を指導して革命・建設・改革を進める中でつくり出した革命の文化と社会主義の先進的文化からなり、中国の特色ある社会主義の偉大な実践に根差している。中国の特色ある社会主義文化を発展させることは、マルクス主義を導きとし、中華文化の立場をしっかりと守り、現代中国の現実に立脚し、今日の時代的条件と結び付けて、現代化・世界・未来に目を向け、民族的・科学的・大衆的な社会主義文化を発展させ、社会主義の精神文明と物質文明の調和した発展を促すことにほかならない。そのため、人民に奉仕することと社会主義に奉仕することを堅持し、百花斉放、百家争鳴を堅持し、創造的転換、革新的発展を堅持して、絶えず中華文化に新たな輝きをもたらさなければならない。また、イデオロギー関連活動の指導権をしっかりと確保し、社会主義の核心的価値観を養成・実践し、思想道徳建設を強化し、社会主義の文学・芸術を繁栄・発展させ、文化事業と文化産業の発展を推進していかなければならない。

 「宣伝・思想教育活動をよりよく進める」は2013年8月19日、総書記が全国宣伝・思想教育活動会議で行った講話の要旨である。講話の中で、総書記は党と国家の全局的な高みに立って、宣伝・思想教育活動の長期的な発展にかかわる一連の重大な理論的問題と現実的問題を深く説明した上で、次のように指摘している。

 宣伝・思想教育活動を進めるには、◇中心的任務を主軸に置きつつとなる大局に貢献することを基本的責務とし、◇党性の原則を旗幟鮮明に堅持し、◇最も広範な人民の根本的利益をしっかりと実現し擁護し発展させることを党の活動の出発点・帰結点とし、人民本位の理念を堅持し、◇団結・安定・激励を目的とし、生産的な宣伝を主とするなどの重要方針を貫かなければならない。これまでにわが党は宣伝・思想教育活動においてかなり豊富な経験を積み重ねてきたが、それを真剣に総括し、長期にわたり堅持するとともに、実践の中で絶えず豊かにし発展させていかなければならない。さらに、全面的な対外開放のもとで宣伝・思想教育活動を進めるにあたり、人々が現代の中国と外部の世界をより全面的かつ客観的に認識するよう導くことは重要な任務の一つとなる。それゆえ、宣伝・思想教育部門は自らのしかるべき職責をしっかりと担い、全力を尽くして果たさなければならない。また、党を挙げてこの活動に取り組まなければならない。各級の党委員会は政治的責任と指導上の責任をしっかりと果たさなければならない。

 「イデオロギーは党の旗印、前進の道、国家政治の安全保障に関わるものである」は2013年11月から2016年10月にかけて、総書記が書いた多くの文章から関連内容を抜粋したものである。その中で、総書記は次のように指摘している。

 われわれはイデオロギー関連活動の指導権・管理権・主導権をしっかりと握らなければならない。インターネットは現在イデオロギー闘争の最前線となりつつあり、インターネットにおけるイデオロギー安全保障上のリスクという問題を重視する必要性が高まっているため、こうしたイデオロギー闘争に断固としてうち勝たなければならない。イデオロギー関連活動を重要な位置に据え、活動責任制を真剣に実行するとともに、イデオロギーという陣地の防御力を強化し、決然とした指導・管理を徹底し、イデオロギー関連活動の主導権をしっかりと握らなければならない。

 「革命の文化を人民の勇往邁進を励ます精神的原動力にする」は2013年11月から2019年9月にかけて、総書記が行った多くの講話から関連内容を抜粋したものである。その中で、総書記は次のように指摘している。

 人は精神がなければ成り立たず、国は精神がなければ強くなれない。五四精神の研究を民族精神および時代精神の研究と結びつけ、党が人民を指導して革命・建設・改革の中で生み出した革命の文化および社会主義の先進的文化と結びつけて、それを人民の勇往邁進を励ます精神的原動力にする必要がある。共和国の色は革命を示す赤であり、色褪せることがあってはならない。党、革命、旧根拠地、英雄、烈士にかかわる物語をしっかりと伝え、革命的伝統の教育、愛国主義教育、青少年の思想・道徳教育を強化し、革命の遺伝子をしっかりと受け継ぎ、赤色政権が永遠に色褪せることのないようにしなければならない。

 「史的唯物論を堅持し、絶えず現代中国のマルクス主義発展の新たな境地を切り開いていく」は2013年12月3日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第11回集団学習会を主宰した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 全党はマルクス主義哲学の学習と活用を強化し、それをお家芸に磨き上げ、マルクス主義の立場・観点・方法で問題を分析し解決する能力を高める必要がある。マルクス主義哲学の重要な構成部分となる史的唯物論は、人類社会発展の一般的法則に関する科学である。そのため、社会の基本的矛盾の分析法を学んで身につけて、改革の全面的深化の重要性と切迫性を深く理解しなければならない。物質生産が社会生活の基盤であるという観点を学んで身につけて、改革の全面的深化との重要な関係を的確に把握しなければならない。また、人民大衆こそ歴史の創造者であるという観点を学んで身につけて、人民にしっかりと依拠して改革を推進しなければならない。

 「毛沢東思想の真髄をしっかりと堅持し活用する」は2013年12月26日、総書記が毛沢東同志生誕120周年記念座談会で行った演説の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 毛沢東思想の真髄とはこの思想を貫く立場や観点、方法であり、三つの基本的側面、即ち実事求是、大衆路線、独立自主からなっている。過去、現在、未来のいずれにおいても、すべては実際から出発し、理論と実際を結びつけることを堅持して、実践の中で真理を検証し、発展させなければならない。すべては大衆のために、すべては大衆に依拠し、大衆の中から大衆の中へということを堅持して、党の正しい主張を大衆の自覚的行動に変え、大衆路線を国政運営のすべての活動の中で貫かなければならない。さらに、自らの力に依拠する国家と民族の発展を基軸として、民族としての自尊心と自信を守りつづけ、揺るぐことなく自らの道を歩んでいかなければならない。

 「国家の文化的ソフトパワーを向上させる」は2013年12月30日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第12回集団学習会を主宰した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 国家の文化的ソフトパワーを向上させることは、「二つの百周年」の奮闘目標と中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現にかかわっている。国家の文化的ソフトパワーを向上させるには、国家の文化的ソフトパワーの基盤固めに努め、現代中国の価値観を発信し、中華文化の独自の魅力を示し、国際的発言力を高めなければならない。

 「社会主義の核心的価値観の育成・発揚を求心力の向上と文化的基礎固めにつなげる基礎的プロジェクトとする」は2014年2月24日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第13回集団学習会を主宰した際に行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 核心的価値観は文化の性格と発展方向を決定づける最も深いレベルの要素であり、国家としての重要な「スタビライザー」である。社会主義の核心的価値観の育成・発揚を求心力の向上と文化的基礎固めにつなげる基礎的プロジェクトを根本的な任務として、確実に取り組む必要がある。そのためには、わが国の優れた伝統文化にしっかりと立脚しなければならない。また、社会主義の核心的価値観を社会生活の隅々まで浸透させ、教育による誘導や世論・宣伝、文化的薫陶、実践による育成、制度的保障などを通じて、それを内的には人々の精神的追求へと昇華させ、外的には彼らの意識的行動に変えなければならない。

 「青年は社会主義の核心的価値観を積極的に実践すべきである」は2014年5月4日、総書記が北京大学教職員・学生座談会で行った談話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 一つの民族、一つの国家にとって、最も持続的かつ最も根強い力は社会全体で共通して認められる核心的価値観である。全国各民族人民がともに認める価値観を反映する「最大公約数」を求めることによって、すべての人々が一心同体となって勇往邁進することは、国家の前途と運命にかかわり、人民の幸福と安泰にかかわっている。総書記はさらに次のように強調した。若者はまさに価値観の形成期と確立期にあるため、この時期に価値観をしっかりと育てることは非常に重要である。青年たちは、骨身を惜しまずに勉強に励み、真の学問を求めなければならない。道徳心の向上に努め、道徳的修養を深め、道徳的実践を重視しなければならない。是非曲直を見分ける能力を磨いて自らの判断力を高め、優れた決断力を持たなければならない。また、地道に働き、品行をつつしみ、人に対し誠実でなければならない。

 「文学・芸術活動座談会における談話」は2014年10月15日、総書記が行った談話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中華民族の偉大な復興を実現するには中華文化の繁栄と興隆が必要である。文学・芸術の繁栄と発展を促す上で、最も根本となるのはわれわれの偉大な民族、偉大な時代に恥じない優れた作品をつくり出すことである。人民を中心としてこそ、文学・芸術は最大のプラスのエネルギーを引き出すことができるのである。人民の精神的、文化的需要を満たすことを文学・芸術およびその関連活動の出発点と帰着点とし、人民を文学・芸術の表現主体と位置づけ、人民を文学・芸術における美意識の鑑賞者・批評者とするとともに、人民への奉仕を文学・芸術活動家の責務としなければならない。中国精神は社会主義文学・芸術の真髄であるため、広範な文学・芸術活動家は社会主義の核心的価値観の旗印を高く掲げ、自らの肩にかかっている責任を十分認識し、社会主義の核心的価値観を生き生きと真に迫る表現手法で文学・芸術の創作に浸透させなければならない。また、党の指導は社会主義文学・芸術の発展を促すための根本的な保証であるため、文学・芸術活動に対する党の指導を強化し、改善していかなければならない。

 「中国についての素晴らしい物語をしっかりと伝え、中国の発信力をいっそう強化する」は2014年10月23日、総書記が中国共産党18期4中全会第2回全体会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 われわれは中国の国政を立派に運営する能力を持っているから、中国についての物語をしっかりと伝える自信もあるはずである。それゆえ、時勢に応じて思想・世論関連活動を大きくおし進める必要がある。各方面を動員して共に思想・世論関連活動に取り組み、互いの連携関係を統一的に強化し、各種のリソースを統合し、国内の宣伝と対外発信の一体化した発展を目指して交響楽や大合唱のようなパフォーマンスを発揮しなければならない。

 「唯物弁証法は中国共産党員の世界観と方法論である」は2015年1月23日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第20回集団学習会を主宰した際に行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 われわれは絶えずマルクス主義哲学の啓発を受け、より一層意識的に唯物弁証法の世界観と方法論を堅持し活用して、すべての活動をよりよく進めなければならない。具体的には、◇世界の根源は物質であり、物質が意識(精神)を決定づけるという原理を学んで身につけ、客観的実際から出発して政策の策定や活動の推進に取り組むことを堅持する。◇事物の矛盾運動の基本的原理を学んで身につけ、絶えず問題意識を強化して、前進の途中でぶつかった矛盾に積極的に立ち向かい、それを解消する。◇唯物弁証法の根本的方法を学んで身につけ、絶えず弁証法的思考力を強化し、複雑な局面への対処能力と複雑な問題の解決能力を高める。◇認識と実践の弁証法的関係についての原理を学んで身につけ、実践第一の観点を堅持し、絶えず実践を踏まえた理論的刷新を推し進め、21世紀の中国のマルクス主義を発展させていかなければならない。

 「全国党学校運営活動会議での講話」は2015年12月11日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党学校がその名のとおりに党の指導する学校であることは党学校運営活動の根本的な原則であり、運営活動にしっかりと取り組む上での根本的な拠り所でもある。古典的著作を掘り下げて真剣に精読し、自らの「おはこ」としてのマルクス主義の立場や観点、方法を精一杯身につけなければならない。また、党性教育をカリキュラムの柱とし、マルクス主義の中国化における最新の成果を理論教育の中心的な内容として盛り込み、われわれの戦略的思考能力、弁証法的思考能力、総合的政策決定能力、全局の統括能力を高めなければならない。

 「偉大な愛国主義的精神を大きく発揚する」は2015年12月30日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第29回集団学習会を主宰した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 愛国主義は中華民族精神の核心である。中華民族の偉大な復興の実現という中国の夢は、現代中国の愛国主義の鮮明な主題である。中国共産党は愛国主義的精神の確固たる発揚者と実践者の最たるものであり、終始一貫して中華民族の偉大な復興を自らの歴史的使命としている。愛国主義的精神を発揚するには、愛国主義の教育を永遠の主題とし、愛国主義と社会主義を結びつけることを堅持し、祖国の統一と民族の団結を守り、中華民族の歴史と文化を尊重し受け継ぎ、民族の状況に立脚しつつ世界にも目を向けることを堅持しなければならない。さらに、国を愛することと党・社会主義を愛することを常に結びつけることは現代中国の愛国主義的精神の最も重要な反映であると強調した。

 「党の報道・世論関連活動の正しい政治的方向性を堅持する」は2016年2月19日、総書記が党の報道・世論関連活動座談会で行った談話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 新しい時代の条件下において、党の報道・世論関連活動の責務と使命は、◇旗印を高く掲げ、前進の方向をリードすること、◇中心的任務を主軸に置きつつ大局に貢献すること、◇人民を団結させ、士気を鼓舞すること、◇人々が修養を積み、よりよい社会的気風を醸成し、求心力を強化すること、◇是非をはっきりと弁別し、誤謬を正すこと、◇内と外を結びつけ、国際交流を促進することである。こうした責務と使命を果たすには、正しい政治的方向性が第一義的なものであることを堅持しなければならない。さらに、党性の原則をしっかりと堅持し、マルクス主義的報道観を堅持し、世論の正しい方向付けを堅持し、生産的な宣伝を基軸とすることを堅持しなければならない。

 「サイバーセキュリティーと情報化推進活動座談会での談話」は2016年4月19日、総書記が行った談話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 わが国の通信ネットワーク事業の発展を推進するには、人民を中心とする発展思想を貫徹し、インターネットが人民により多くの幸福をもたらすようにしなければならない。社会と人民に対して責任を負うという姿勢で、法に基づいてサイバー空間の管理を強化し、ネットのコンテンツ整備に力を入れ、インターネット上での生産的な宣伝を大々的に進め、積極的かつ健全で、より良いものを目指すことを旨とするインターネット文化を醸成し、インターネットの良好な環境をつくり出すとともに、世論を導き、民意を反映させるというネットの役割を発揮させ、広範なネットユーザー、とりわけ青少年のために適正でクリーンなサイバー空間をつくり出さなければならない。

 「哲学・社会科学研究推進座談会での談話」は2016年5月17日、総書記が行った談話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 あくまでもマルクス主義を導きとすることは、現代中国の哲学・社会科学が他の国の哲学・社会科学と異なる根本的なシンボルであるということを旗幟鮮明に堅持していかなければならない。マルクス主義を導きとすることを堅持するためには、それを真に理解し信奉することが先決条件であるが、誰のために奉仕するかはその解決すべき核心的課題であり、いかにして実践に移すかはその究極の帰着点である。さらに、中国の実情に立脚し、外国の状況を参照し、歴史を掘り下げて総括し、現代の流れをとらえ、人間愛の精神を深め、未来に目を向けるという理念に照らして、中国の特色ある哲学・社会科学の構築に力を入れるとともに、指導思想や学科系統、学術体系、国際発信体制などにおいて中国の特色、中国のスタイル、中国の気概を十分に示し、全方位・全領域・全要素を指向した哲学・社会科学体系づくりに努めていかなければならない。

 「党と人民から信頼されるジャーナリストになる」は2016年11月7日、総書記が中国記者協会第9回理事会の代表者全員と中国報道賞・長江韜奮賞受賞者の代表者と会見する際に行った談話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 党の報道・世論関連活動は党の活動の重要な構成部分である。党の報道・世論関連活動にしっかりと取り組んで良好な世論環境をつくることは、国政運営と国家の安定を図る上での重要な事柄である。そのため、広範なジャーナリストは、◇正しい政治的方向性を堅持し政治的立場をしっかりととったジャーナリスト、◇正しい世論の方向付けを堅持し時代を先導するジャーナリスト、◇正しい報道のあり方を堅持したベテランのジャーナリスト、◇常に正しい勤務態度をとり、気風の優れたジャーナリストでなければならない。一言でいえば、党と人民から信頼されるジャーナリストを目指す、ということである。

 「中国文学・芸術界連合会第10回全国代表大会と中国作家協会第9回全国代表大会の開幕式における講話」は2016年11月30日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 文化は国と民族の魂である。中華民族の偉大な復興を実現するには、物質文明の高度な発展、そして精神文明の高度な発展が必要である。文化への自信とはより基礎的で、より幅広い、より深い自信であるとともに、より基本的でより重厚かつより持続的な力である。文化への自信をうち固めることは、国の盛衰や文化の安全保障、民族精神の独立性にかかわる重大な問題である。広範な文学・芸術活動家は社会主義の核心的価値観の育成と発揚を根本的な任務として、文学・芸術を用いて民族精神を奮い立たせ、中国人の独特な考え、感情、美意識をもって、時代の流れに沿いつつ鮮明な中国の風格を持つ優れた作品を創作しなければならない。

 「思想・政治教育活動を大学教育の全過程で徹底する」は2016年12月7日、総書記が全国大学思想・政治教育活動会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 大学の思想・政治教育活動は、大学がどのような人材を育成し、いかに育成し、誰のために育成するのかといった根本的な問題にかかわっている。そのため、あくまでも徳育による人材育成を中心的な一環として、思想・政治教育活動を大学教育の全過程で徹底し、全過程・全方位の人材育成を実現し、わが国の高等教育事業発展の新たな局面を全力で切り開いていかなければならない。

 「第1回全国模範家族表彰会の受賞者代表と会見する際の講話」は2016年12月12日、総書記が行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 家族の前途・運命が国と民族の前途・運命と密接にかかわっているため、中華民族はかねてから家族のことを重視してきた。皆さんには家族のことや家庭教育、家風づくりを心掛け、家庭内でのマナー習得や品格教育を重んじ、優れた家風を発揚して、より多くの家庭が国の発展、民族の進歩、社会の調和につながる重要な出発点となるように努め、各家庭の素晴らしい家風によって社会全体のより良い気風を支えてもらいたい。総書記はさらに、次のように強調した。各級の指導幹部は率先して自らの家風づくりをしっかりと行い、道徳面の高尚な情操と生活面の健全な趣味を培うとともに、家族や親族にも厳しく求め、愛国心や家族愛、向上心、善心に満ち溢れ、全員が協力して楽しみを共有する社会主義的家庭文化の新たな気風づくりを促していかなければならない。

 「マルクス主義の中国化・時代化・大衆化を継続的に推進する」は2017年9月29日、総書記が中国共産党第18期中央政治局第43回集団学習会を主宰した際に行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 21世紀のマルクス主義、現代中国のマルクス主義を発展させるには、中国の実情に立脚し、世界に目を向け、時代とともに前進するという理論的性格を備え、マルクス主義の時代的意義と現実的意義を深く認識し、根気よくマルクス主義の中国化・時代化・大衆化を推進し、マルクス主義にいっそう輝かく真理の光を放たせなければならない。

 「農耕文化の伝承・発展・向上に努め、農村文化の興隆を目指す道を歩む」は2017年12月28日、総書記が中央農村活動会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中華文明は農耕文化に根差している。農村の振興を図るには、物質的土台作りが必要であるし、精神文化の刷新も必要であり、優れた農村の気風、良好な家風、純朴な民風を形成し、精神文化の新たな気運を醸成しなければならない。また、農村の優れた伝統文化を深く掘り起し、継承し、革新するとともに、保護・継承と開発・利用を有機的に結びつけ、わが国の農耕文化の優れた遺産と現代文明の要素を結びつけたうえで、新たな時代の意味というものを与え、わが国の悠久の歴史をもつ農耕文化が新しい時代においてその魅力的な姿を見せられるようにしなければならない。

 「偉大な中華民族精神を発揚する」は2018年3月20日、総書記が第13期全国人民代表大会第1回会議で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 中国人民は偉大な創造精神、偉大な奮闘精神、偉大な団結精神、偉大な夢を追求する精神をもつ人民である。中国人民が長期にわたる奮闘の中で育成し、継承し、強化してきた偉大な民族精神は、中国の発展と人類文明の進歩に強大な精神的原動力をもたらしており、われわれが中国の特色ある社会主義の道・理論・制度・文化への自信を固めるための底力であり、われわれがいかなる困難も恐れず勇往邁進する根本的な力でもある。

 「マルクス主義の基本理論を学習することは共産党員の必修科目である」は2018年4月23日、総書記が中国共産党第19期中央政治局第5回集団学習会を主宰した際に行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 マルクス主義の基本理論を学習することは共産党員の必修科目である。「共産党宣言」の発表は人類思想史における偉大な出来事であった。「共産党宣言」は科学的社会主義の原理を全面的に論述した初めての偉大な著作であり、「全世界の面前に自らの見解、目的、傾向を公然と宣言し」、マルクス主義思想史上の一里塚を築いた。さらに、「共産党宣言」はひとたび出版されると、実践の面から世界の社会主義の発展を促進し、人類史の前進過程を大きく変えた。今日、われわれが「共産党宣言」を再び取り上げるその目的は、「共産党宣言」に内包されている科学的原理と科学的精神を、偉大な闘争・偉大なプロジェクト・偉大な事業・偉大な夢の統一的推進という実践の中で生かし、新時代において絶えず中国の特色ある社会主義を堅持し発展させる上での新たな一章を書き綴っていくことにある。

 「マルクス生誕200周年記念大会における演説」は2018年5月4日、総書記が行った演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 マルクス主義は科学的な理論、人民のための理論、実践のための理論、絶えず発展し開かれた理論である。それは人類社会の発展法則を創造的に解明し、人民が自らの解放を実現するための思想体系を初めて確立し、人民による世界改造の行動を導き、終始時代の先頭に立つものである。マルクス主義は常に党と国家の指導思想であり、世界を認識し、法則を把握し、真理を追求し、世界を改造するための有力な思想的武器である。新時代においても、中国共産党員は依然としてマルクスから学び、マルクス主義を学習・実践し、絶えずその中から科学的知恵と理論の力を吸収して、さらなる不動心、さらなる自信、さらなる知恵をもって、新時代の中国の特色ある社会主義を堅持し発展させていく必要がある。また、マルクス主義に基づいて時代を観察し、時代を読み、時代をリードすることを堅持し、生き生きとした豊富な現代中国の実践を通してマルクス主義の発展を推進し、より広い視野に立って人類がつくり出したすべての優れた文明の成果を取り入れるとともに、改革の中で伝統を守りつつ革新を起こし、絶えず自己超越を図り、開放の中で世界各国の長所を広く取り入れて、絶えず自己改善を行い、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義の新たな境地を不断に切り開いていく必要がある。

 「自ら進んで新たな情勢下における宣伝・思想教育活動の使命と任務を担う」は2018年8月21日、総書記が全国宣伝・思想教育活動会議で行った講話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 第18回党大会以降の実践の中で、われわれは絶えず宣伝・思想教育活動の法則に対する認識を深め、一連の新たな思想・観点・論断を示した。それは、◇イデオロギー関連活動に対する指導権、◇思想教育における「二つの強化」の根本的任務、◇新時代の中国の特色ある社会主義思想による全党の頭脳武装と人民の教育、◇社会主義の核心的価値観の育成と実践、◇文化への自信がより基礎的、より幅広い、より深い自信であり、より基本的、より奥深い、より持続的な力となること、◇報道・世論の発信力・誘導力・影響力・信頼性の向上、◇人民を中心とする創作の方向性、◇適正でクリーンなサイバー空間の構築、◇中国の物語をしっかりと伝え、中国の声をしっかりと届けることを堅持することである。これらの重要な考えは宣伝・思想教育活動にしっかりと取り組むための根本的な拠り所となるため、長期にわたり堅持し、絶えず発展させていかなければならない。

 「徳育・智育・体育・美育・勤労教育で全面的に発達した社会主義の建設者・後継者を育成する」は2018年9月10日、総書記が全国教育大会で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 どのような人間に育てていくのかが、教育の第一義的な課題である。絶えず次世代の社会主義の建設者・後継者を育成すべく、全ての教育関係者が参加する、全過程・全方位の人材育成の体制・仕組みを整えなければならない。理想・信念の強化や愛国心のさらなる養成、品性・修養の向上、知識・視野の拡大、奮闘精神の養成、全体的な資質の向上に力を入れることがカギとなる。

 「メディアの融合発展の推進を加速する」は2019年1月25日、総書記が中国共産党第19期中央政治局第12回集団学習会を主宰した際に行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 メディアの融合発展を推進することとオムニメディア(omnimedia)を構築することは、われわれが直面する差し迫った課題となりつつある。メディアの融合発展を推進するには、世論の主流形成をいっそう強化し、全党と全国人民が団結して奮闘するための共通の思想的基礎を固め、「二つの百周年」の奮闘目標の達成と中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けて強大な精神的力と世論の支持をかち取る必要がある。そのため、メディアの融合発展のさらなる推進により、主流メディアの発信力・誘導力・影響力・信頼性をさらに高め、ネットメディア・伝統的メディアの読者層いずれも同心円を描くことで、プラスのエネルギーをいっそう強くし、主旋律をいっそう高く響かせなければならない。

 「一つの国、一つの民族には魂がなくてはならない」は2019年3月4日、総書記が第13期全国政治協商会議第2回会議の文化芸術界・社会科学界部会委員合同会議で行った講話である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 文化・文芸活動、哲学・社会科学活動は党と国家の活動の全局において非常に重要な地位を占めており、新時代に中国の特色ある社会主義を堅持し発展させることは非常に重要な役割を担っている。皆さんには、常に時代と歩調を合わせ、人民を中心とすることと人民のために優れた作品を創作すること、美徳により社会の気風を導くことを堅持して、新時代を記録し、刻み、謳い上げる使命を担い、われわれの時代の精神的系譜を描き出し、時代の様相を写し、時代の進歩を記録し、時代の美徳を広めていくよう望んでいる。

 「思想政治教育は徳育による人材育成の根本的任務を果たす上でカギとなる科目である」は2019年3月18日、総書記が学校の思想政治理論の担任教員との座談会で行った談話の要旨である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 思想政治を効果的に教えるうえで最も根本となるのは、党の教育方針を全面的に貫徹し、どのような人間に育てるのか、いかに育成し、誰のために育成するのかというこの根本的な問題をよりよく解決することである。そのため、マルクス主義の理論教育を行い、新時代の中国の特色ある社会主義思想をもって生徒・学生の価値観を育て、彼らが中国の特色ある社会主義の道・理論・制度・文化への自信を強く持ち、愛国心を育くみ、自らの愛国の情熱と強国の大志と報国の行動を、中国の特色ある社会主義の堅持と発展促進、社会主義現代化強国の建設、中華民族の偉大な復興の実現に向けた奮闘に自覚的に参加するよう導かなければならない。

 「異なる文明の間の交流と相互参照を深め、アジア運命共同体をともに構築する」は2019年5月15日、総書記が北京で開かれたアジア文明対話大会の開幕式で行った基調演説である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 共通の課題に対応し、よりよい未来に向かって邁進するためには、経済力・科学技術力が必要となるだけでなく、文化・文明の力が必要である。そのため、世界中の異なる国、異なる民族、異なる文化の間の交流と相互参照を強化し、アジア運命共同体と人類運命共同体をともに構築するための人的・文化的な基盤をうち固めていかなければならない。また、互いに尊重し、平等につき合うこと、他国の利益を配慮しつつ互恵の関係を築くこと、開放的・包摂的な態度で互いに学び合い参考にすること、時代とともに前進し革新と発展に取り組むことを堅持して、アジア文明と世界文明のよりよい未来をともに築いていかなければならない。

 「マルクス主義の中国化の最新の成果から思想・意志・行動を統一させる」は2020年1月8日、総書記が「初心を忘れず使命を銘記する」をテーマとする教育活動の総括大会で行った講話の一部である。その中で、総書記は次のように指摘している。

 マルクス主義政党の先進性は何よりもまず思想理論の先進性に表れている。初心を忘れず使命を銘記するためには、マルクス主義の中国化の最新の成果を用いて思想・意志・行動を統一させなければならない。党の革新理論の学習・貫徹を、思想を武装化させるための最も重要な手段として、マルクス主義の基本原理の学習と結びつけ、党史や新中国史、改革開放史、社会主義発展史と結びつけ、新時代における偉大な闘争の展開、偉大なプロジェクトの建設、偉大な事業の推進、偉大な夢の実現といった豊富な実践と結びつけて、革新理論を貫徹・実施する思想・行動面での自覚を確実に高めていかなければならない。

 「新型コロナウイルスの感染対策についての広報・啓発と世論面のリードにしっかりと取り組む」は2020年2月に総書記が行った二回の講話から関連内容を抜粋したものである。その中で、総書記は次のように指摘している。

 新型コロナの感染対策の状況が厳しく複雑であるため、宣伝・世論関連活動はさらに力を入れ、インターネット上と現実社会、国内と国際の関心事を総合的に配慮して、自信を固めることや、人々の心を温めること、民心の結集につながる環境・ムードをつくり出さなければならない。また、党中央の決定した重要な政策と行動計画を踏み込んで周知し、感染症対策法についての広報・啓発を大いに進め、各地区・各部門による共同対策措置の効果をより多く報道するとともに、社会の関心事、とくに大衆から大量に寄せられた要望には速やかに回答し、インターネット上のプラスのエネルギーを増強させ、国際社会からの強い関心にも進んで回答して国際世論に対し効果的に影響を与え、現在の世論にプラスの要素をもたらし、さまざまな困難を乗り越えて前へと進むための好ましい雰囲気を醸し出さなければならない。

 「人民日報」2020年11月10日付け 2面