孔鉉佑大使、中日国交正常化50周年に寄せる署名文章を発表

出所:http://jp.china-embassy.org/jpn | | 発表時間:2022-03-10

 3月7日、中国人民政治協商会議第13期全国委員会委員、中国駐日本国大使孔鉉佑は中国国際テレビ(CGTN)の「DECISION MAKERS」コラムにて「国交正常化50周年を記念し、中日関係の新しいビジョンを切り開く」と題した署名入り文章を発表しました。大使は文章の中で、中日国交正常化がもたらした歴史的啓示を振り返り、両国関係の将来の発展をめぐり、中国側の政策と主張を全面的に述べました。以下は、その全文です。

 中日国交正常化50周年に当たる今年は、両国関係発展史上の一里塚です。50年前、当時の両国指導者は優れた戦略的知恵と非凡な政治の勇気により、国交正常化という重大な決断をして、戦後以来の中日両国の対立して隔絶していた関係を完全に終結させ、平和・友好・協力の新たなページを開きました。この動きは、地域および世界の歴史の発展にも深い影響を及ぼしました。

 中日関係は半世紀の風雨を経ました。両国の各分野における交流と協力は質的な飛躍を実現し、二国間貿易額は3714億ドルの歴史的な記録を更新しました。新型コロナウイルス感染症が発生する前の人の往来は年間1200万人に達し、友好都市や友好地域は260組以上になりました。両国の利益の融合は広範囲かつ緊密です。両国はすでに、相互に依存する共同体になっています。双方はこの容易には達成できない中日関係の発展の成果を大切にすると同時に、この中から未来を照らす知恵を汲み取らねばなりません。

 歴史は私たちに、政治体制や社会制度、イデオロギーの違いを国と国の付き合いの障害にすべきではないと、教えました。50年前、両国の先輩指導者は、相互尊重と小異はあっても大同を求める精神に基づいて、相違を乗り越え、冷戦環境の中で国交正常化を実現し、異なる陣営の国同士の平和共存や友好交流の模範を確立しました。双方は1972年締結の中日共同声明に、「中日両国は社会制度が異なるが、平和な友好関係を構築すべき」と明記しました。50年後の今日、双方がこれを実現できない理由はありません。

 歴史は我々に、平和、友好、協力は双方が一貫して、着実に把握する必要がある正しい方向であることを示しています。中日両国は国交正常化当初、「両国間の恒久的な平和友好関係の構築」を宣言しました。「中日平和友好条約」の締結は、双方が平和友好を共に履行する義務を法の形式で明確にしました。また、双方は中日の戦略的互恵関係の位置付けを確立し、「協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」などの一連の重要な共通認識に達しました。国際情勢がいかに変化しようとも、双方が平和、友好、協力を堅持する大きな方向は、いささかたりとも動揺させるべきではありません。

 歴史は、中日間の4つの政治文書と双方の共通認識が徹底的に履行されなければならないことを示しています。国交正常化以来、双方は4つの政治文書を確立し、一連の重要な共通認識を形成し、歴史や台湾などの重大な原則問題、および釣魚島、海洋関連などのデリケートな問題を処理するための規則を作りました。これらは両国政府による厳粛な確約であり、中日関係の安定した発展を確保する根本的な保障であり、いかなる挑発も許されません。

 当面の中日関係は依然として複雑で厳しく、歴史的問題と新たに生じた課題が絡まり合い、重要な岐路に立たされています。双方は国交正常化50周年という重要な契機を捕えて、両国関係をしっかりと維持し、強固にし、発展させ、「新時代に相応しい中日関係の構築」という政治的共通認識を実現させるべきです。これは時代が双方に与えた歴史的使命です。

 まず相互尊重を堅持し、食い違いを適切に処理せねばなりません。相互尊重は相互信頼を確立する基盤であり、国と国の付き合いの基本的な礼節でもあります。双方は平等に接し、善意と誠意を互いに伝え、互いの政治体制、社会制度、価値観などの相違を受け入れ、相手が自主的に選択した発展の道を尊重し、内政に干渉しないなどの国際関係の基本準則を厳守し、価値観による線引きやイデオロギーによる対立の扇動に反対すべきです。

 次に、確約の厳守を堅持し、矛盾や対立をコントロールせねばなりません。中日は隣国であり、ある程度の問題と対立の発生は避けられません。大切なのは、それらをどのようにコントロールするかです。中国側は一貫して、自らの主権、安全、発展の利益を断固として守り、同時に日本側とともに、中日の4つの政治文書の原則と関連する共通認識に従い、矛盾と対立を効果的に管理し、両国関係の大局が阻害されることを食い止めることを望んでいます。日本側は歴史や台湾などの重大な原則問題において確約を守り、正道を踏み外さず、一線を越えないことを確実なものにして、両国関係の政治的基礎を守らなければなりません。

 第3点として、協力とウィンウィンを堅持し、共通利益の拡大に尽力せねばなりません。中国は新たな発展段階に入りました。中国の質の高い発展とレベルの高い開放は、日本を含む世界各国により多くのチャンスをもたらします。中日両国は協力とウィンウィンの旗印を高く掲げ、各分野における実務協力を積極的に推進し、協力の質を高め、両国関係にプラスのエネルギーを注入せねばなりません。我々は、日本側が対中協力において、より自信を持ち、開放的で、寛容な姿勢を示すことを願っています。中日の競争対抗を誇張したり、中国の発展を抑圧することを吹聴する、消極的な論調に影響されて進む方向を誤らないことを願います。

 第4点として、友好的な伝統を堅持し、民意の基盤を固めることが大切です。民間友好は中日関係の優れた伝統であり、貴重な財産でもありです。双方は人的交流や民間、地方の交流を幅広く展開し、両国の民衆の相互理解の増進を推し進め、民心のつながりを深める必要があります。中日関係の未来は若い世代にあります。双方は青少年交流を重点的に強化し、より多くの若者が中日関係への関心を高めるようにして、中日友好事業のたいまつを次の世代に伝えていかねばなりません。

 最後に、多国間主義を堅持し、国際任務を履行せねばなりません。新型コロナウイルス感染症が現在も続いています。全世界を巻き込む試練が次々と出現しています。世界は新たな激動の変革期に入りました。中日両国は、真の多国間主義を実践し、国際社会全体の利益を出発点に、戦略的自主を維持し、地域と世界の平和と安定、団結と協力、発展と繁栄のために、積極的な役割を果たすべきです。

 国交正常化50周年という新たなスタート地点に立つ双方は、十分な勇気と知恵で困難を克服し、チャンスを捕え、革新的な時代における中日関係のすばらしい未来を切り開けると信じます。より成熟して安定した中日関係を手にしながら次の50年を歩んでいくことは、国交正常化50周年の最も良い記念です。




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